出版社内容情報
独特の世界観で人気の、ミキハウスの宮沢賢治の絵本シリーズ。
子どもたちには新鮮な感動を、大人には一味違う読みごたえのある物語絵本です。
柚木沙弥郎[ユノキサミロウ]
イラスト
内容説明
賢治がのこした一冊の手帖。そのなかにあった言葉が、多くの人々の心をゆさぶりつづけている。闘病生活のさなかに書きとめられたその言葉は作品として書かれたものではなく、賢治の「祈り」そのものだった…。
著者等紹介
柚木沙弥郎[ユノキサミロウ]
1922年、東京生まれ。女子美術大学名誉教授。洋画家の父を持ち、東京大学で美術史を学ぶが、戦争で勉学が中断され、戦後、父の郷里である岡山県の倉敷にある大原美術館に勤務。その後、芹沢〓(けい)介に師事し、型染めを手がける。布への型染めの他、さまざまな版画やガラス絵などの作品にも挑戦し、絵本やポスターの制作、装丁やイラストレーションなど幅広いジャンルで活躍。1958年に型染め壁紙がベルギーのブリュッセル万国博覧会で銅賞、1990年に第一回「宮沢賢治賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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nakanaka
76
恥ずかしながら宮沢賢治の作品はあまり触れたことがありません。流石にこの「雨ニモマケズ」は知っていましたが改めて読んでみると考えさせられます。強くて優しくて贅沢はしないという聖人のようなものに憧れる作者の想いが伝わってきます。共感はできますがなかなか欲望が邪魔してそうはなれそうもありません。若くして亡くなった賢治を想うと涙が出そうになります。2017/06/22
yomineko@ヴィタリにゃん
68
有名なので感想は省略。巻末の解説(宮沢和樹氏。賢治の弟である祖父を持つ。)がとても良かった。「行ッテ」が大切だという。とにかく何かあれば行って助けるんだ!!!の心意気を感じる。そういう人になりたいという自分のことを「デクノボー」だと言うが、、、病魔と果敢に闘っていた宮沢賢治の心意気が勇ましく、そして哀しい。2023/09/02
ちえ
32
誰でも知っている宮沢賢治の代表作。賢治の手帳に書かれていたこの詩には題名がなく最初の題名は書かれた日付の「十一月三日」だったそうだ。賢治の弟、清六さんの孫の解説が最後に書かれている。「後半が大事なんだ『行っテ』という言葉こそ大事」と清六さんは話していたという。手帳の最後に書かれた日蓮上人の曼陀羅と『行っテ』との関係。手帳の写真が載っているからこそわかる。2023/05/27
テツ
30
病に倒れた賢治の祈りと願い。冒頭にある「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」だけが頻繁に抜き出されているのでこれを雄々しい詩だと思われている方も多いけれど、根底にあるのは弱々しい希望。そして決して自分が到達し得ない理想の姿を綴り上げた最期を「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」と締める宮沢賢治の穏やかな諦観。どうしたらこんなに美しい形で自分の中身を世界に曝け出せるのか。今でも賢治の祈りは自分を支えてくれている。身は滅んでも心は後世に。人の世が続く限り伝わると信じたい。2017/04/17
ツキノ
21
2016年10月発行。柚木沙弥郎さんの絵で見てみたかった。宮沢賢治の弟の孫である宮沢和樹氏によるこの作品の解説付。「雨ニモマケズ」が書きつけられていた手帳の写真あり。「行ッテ」という実践なにより大事。(E149)2021/05/13
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