内容説明
そのとき山男は、なんだかむやみに足とあたまが軽くなって、逆さまに空気のなかにうかぶような、へんな気もちになりました。―さて、そのあと、山男にどんなことがおこったか…。それはそれは、なんとも奇妙で摩訶不思議なできごとだったのです。
著者等紹介
飯野和好[イイノカズヨシ]
1947年、埼玉県秩父生まれ。長沢セツ・モードセミナーで水彩画とイラストレーションを学ぶ。雑誌「an・an」の「気むずかしやのピエロットのものがたり」でデビュー。絵本『ねぎぼうずのあさたろう その1』(福音館書店)で第49回小学館児童出版文化賞、『小さなスズナ姫』シリーズ(富安陽子/文 偕成社)で第11回赤い鳥さしえ賞受賞。舞台人形デザイン(結城座)他、読み語り講演で各地を廻る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
34
すべてはのどかな春の夢なので、脈絡のなさも意外感も許されるのでしょうが、飯野和好さんが描くと、強烈に癖のある絵本に変身を遂げました。 いかにも怪しいシナ人、いかにも怪しい丸薬が、春の明るい陽ざしの中では陳腐に思えました。 感じる絵本ですね。2022/03/09
ナハチガル
19
語り口が面白い。絵も大好きな飯野さんなので◎。絵本の評価とは関係ないけど気になるのは「本文中に現在は慎むべき言葉が出てきますが、発表当時の社会通念とともに、作者自身に差別意識はなかったと判断されること(攻略)」とあること。差別意識があったかどうか第三者に判断できるのかということもあるし、差別意識がなければよいのかということもある。この作品を批判するつもりは毛頭ないけれど、昔西洋人による誤った日本の文化理解がエキゾチズムとして海外で紹介されて日本人の怒りを買ったという話を別の本で読んでたので気になった。A。2022/04/08
山川欣伸(やまかわよしのぶ)
15
山の中で特別な体験をする一人の山男の物語。この物語は、心に深い感動を与えるとともに、自然の中に隠された不思議さや人間の内面について考えさせられる作品です。 ある日、山男は空を眺めていました。ふと不思議な感覚に襲われた山男は、空中を浮遊するような体験をします。その後、彼は様々な奇妙で摩訶不思議な出来事に遭遇します。たとえば、話す動物たちに出会ったり、夢と現実の境界が曖昧になるような体験をしたりします。これらの体験を通して、山男は自然との深いつながりや、人間の存在について深く考えるようになります(続く 2024/05/31
遠い日
11
山男の印象のせいかもしれないが、奔放な話の行方にぞくぞく。片言の日本語を話す支那人の妖術(?)ににやにや。山男も、春の陽気にあてられたのか。読み手も不意に現実に引き戻されるラストがいい。2019/03/04
けいねこ
10
宮沢賢治の作品とは知らずに、手に取った。この山男は、だいだらぼっちとかの眷属なのだろうか。不思議な存在が不思議な体験をする不思議なお話だった。2019/02/24
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