内容説明
沖縄生まれのおばあちゃん。わすれたから、お祝いできた初めてのたんじょうび。
著者等紹介
上條さなえ[カミジョウサナエ]
東京都に生まれる。小学校教員を経て、児童文学作家としてデビュー。作家生活のかたわら、埼玉県教育委員会の委員長を務めた
たるいしまこ[タルイシマコ]
垂石眞子。神奈川県茅ヶ崎市に生まれる。多摩美術大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パフちゃん@かのん変更
48
お料理上手のおばあちゃんだけど、なぜか自分の誕生日は祝わない。ムーチーだけは作らない。それは戦争中、おばあちゃんのお母さんがおばあちゃんの誕生日にムーチーを作ってあげようとして材料を取りに行ったとき兵士に撃たれて死んでしまった悲しい思い出があるからだ。でも年老いたおばあちゃんは得意だったいろんな料理の作り方を忘れ、誕生日やムーチーの悲しい思い出も忘れてしまった。そしてやっとみんなでおばあちゃんの誕生日を祝うことができた。忘れることが救済になったんだな。2017/06/03
瑪瑙(サードニックス)
44
「おばあちゃんのたんじょうびはいつ?」と尋ねても「わすれてしまったさー」と答えてくれなかったおばあちゃん。それには戦争中のとても悲しい出来事がかくされていた。やがておばあちゃんは物忘れをするようになり、皮肉にもそのおかげで、おばあちゃんがなぜ自分の誕生日を喜べないのかが分かる。こちらも戦争とは無縁ではないお話。本当に平和な世の中になってほしい。2018/06/10
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
43
【学校図書館】戦争の傷を心の片隅に持っていたおばあちゃん。でも認知症を発症し、色々忘れていく。「なんくるないさー」の精神で家族との温かい触れ合いに感動しました。「忘れたっていいんだよ」。2018/02/11
anne@灯れ松明の火
38
遠い方の新刊棚で。タイトルから、どんな話か見当がついたが、ゆっくり読んでみたくて、借りてきた。「おばあちゃん、わすれたっていいんだよ」と言える"るり"は大人だなぁ。おばあちゃん、お誕生日おめでとう! 優しい孫と娘に囲まれて、穏やかな日々を送ってね!2015/11/16
てんちゃん
31
大好きな上條さなえさんとたるいしまこさんの合作絵本。沖縄の文化と戦争の体験と認知症を融合させながらも、シンプルにふんわり書き上げています。気持ちが温かくなる良い絵本。2018/11/24