内容説明
わたしたちにとってはそれは、ただのつち。ふんであるくじめん。でも、デイヴにとってはそれは、だいじなねんど。どれいのデイヴはねんどでつぼをつくってくらしていた。いまから200ねんくらいまえのこと―。
著者等紹介
ヒル,レイバン・キャリック[ヒル,レイバンキャリック][Hill,Laban Carrick]
これまでに、児童文学をふくむ20冊以上の作品を手がける。現在、ガーナ・ライターズ・プロジェクトの共同主宰者として、支援活動を行っている。また、コロンビア大学など複数の大学で教鞭をとる
コリアー,ブライアン[コリアー,ブライアン][Collier,Bryan]
メリーランド州で育ち、15歳で絵を描き始める。水彩とコラージュを用いたイラストは高い評価を得ており、『アップタウン』(未訳)でエズラ・ジャック・キーツ賞、『つぼつくりのデイヴ』および『ローザ』(光村教育図書)でコルデコット賞受賞とコレッタ・スコット・キング賞を受賞している。現在、ニューヨーク在住
さくまゆみこ[サクマユミコ]
東京都に生まれる。編集者、翻訳家。青山学院女子短期大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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たまきら
27
実話です。素晴らしい技術を持っていた一人の陶芸家であり、奴隷でもあった男性。苗字を名乗ることも許されず、家族も売り払われた男性…。彼が残した言葉と作品をもっと見てみたいと思いました。2020/11/27
Maiラピ
26
2011年コールデコット賞オナーブックでコールデコット賞オナーブック三つ目のブライアン・コリアーの水彩とコラージュの迫力あるイラストと素朴なストーリー。200年ほど前のアフリカ系アメリカ人の芸術家であるデイヴが作った実物のツボの画像が載ってるのですが、ほんとにきれいです。“デイヴはマイルズ氏のもの”この詩に奴隷だったデイヴの人生が垣間見れます。2012/02/18
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
14
実在した黒人奴隷のデイブが主人公。当時奴隷が表現をすることは、死に結びつくこと、そんな状況でも垓術表現をしていたデイブ。彼の作品と、そこに書かれていた詩は生存していた頃には認められていなかった。しっかりあとがきを読んで、背景を知る事でより深みを感じる彼の詩です。彼のつぼつくりの手の様子が見開き1ページになっています。 【2011年 コールデコット賞 オナーブック 】(日本で翻訳された絵本)2020/09/24
ケニオミ
11
一心に壷作りにいそしんでいる黒人の表紙。本をめくると迫力ある挿絵。また図書館で絵本に捕まってしまいました。200年前のアメリカ。奴隷が文字を習うことがなかった時代に、自分の作った壷に自作の詩や名前を記した奴隷のデイヴ。彼の詳しい経歴は分かりませんが、現存する壷から彼の作品の芸術性を垣間見ることができます。時々忘れてしまっていますが、世界は大勢の無名の芸術家から成り立っていることが分かる本です。2012/02/26
ゆにす
10
奴隷であり、芸術家であり、詩人であった。こんな人がいたとは驚きです。誰かに認められたかったのか、ただ、溢れる自分の思いを壺と言葉に託したのか・・・・?デイヴの価値を研究された学芸員その他の方たちもすごいと思いました。あとがきいいです。2012/05/16