感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
59
川の意味するところが、広く深い。こういう視点は、日本の河川だけでは見出しがたいと思う。川は流れる。そこに何を見出すのか。2024/10/05
マリリン
53
確かに歌が聞こえてくる。深くて太く低い男性の歌声が。 ヒューズの詩からも、子供の頃その詩に触れ惹かれた思いを描いたルイスの絵からも、言葉にならない込められた気持ちが伝わってくる。特に最後のページの絵。綴られた詩は18歳の時書かれたという。 ....それで、わたしのたましいも川のようにふかくなったのだ...。イメージは「Deep River」だが「 The River of no return」も。 2021/07/01
たまきら
45
正統なアメリカ写実主義を継承する絵にうっとりしつつページをめくり、言葉に既視感を覚えたので調べたら、ああ!ヒューズじゃないですか。美大生だったころ、Poetry Readingで彼の詩を聞きました。「I, Too」が好きだった…。でもやっぱりこの詩、素晴らしいです。表紙は「I’ve seen its muddy bosom turn all golden in the sunset」のところ。美しく、力強い絵がことばにさらに力を与えています。秀逸。2024/06/07
ちえ
36
アメリカの黒人詩人ラングストン・ヒューズが18歳の時に書いた詩。〈水は黒人の暮らしに大きな役割を果たしてきました〉「画家のことば」この詩で川の意味するものは魂、歴史、ルーツ…きっともっと様々なもの。絵本を閉じ、裏表紙の祈りの絵にまた心を寄せた。2024/12/28
Y2K☮
33
今月の絵本&ポエム。「ハーレムの闘う本屋」に出てきたラングストン・ヒューズの詩にもっと触れたくて。川とは水。水は生命の源。と同時に危険な存在でもある。静かな時もあれば荒れ狂う時だって。詩人の魂が、長年に渡って搾取されてきた同胞たちのそれらとひとつになり、或いは何かを洞察したのだろうか。川の流れにその答えを。救い諦観受容。いや違う。第三者が安易に言葉に換えていい何かではない。これはきっと人生を投げ出さず、不条理や報われない現実と長年闘い続けた者だけが辿り着く境地だ。まだまだ私などが解釈するのはおこがましい。2020/02/07