内容説明
公民権運動の母として、アメリカの歴史の中でもっとも有名な人物のひとりであるローザ・パークス。彼女の静かな決断が、やがて全米を動かす大きな運動を引き起こした。時代を超えて、すべての人々に夢と希望を与えるノンフィクション絵本。2006年度コルデコット賞銀賞、2006年度コレッタ・スコット・キング賞受賞作。
著者等紹介
ジョヴァンニ,ニッキ[ジョヴァンニ,ニッキ][Giovanni,Nikki]
1943年、テネシー州に生まれる。ラングストン・ヒューズ賞など数々の賞を受けた著名な女性詩人であり作家であり活動家。バージニア工科大学教授。「ローザ・パークス勇気ある女性賞」の最初の受賞者。現在、バージニア州在住
コリアー,ブライアン[コリアー,ブライアン][Collier,Bryan]
メリーランド州で育ち、15歳で絵を描き始める。水彩とコラージュを用いたイラストは高い評価を得ており、『アップタウン』でエズラ・ジャック・キーツ賞新人賞とコレッタ・スコット・キング賞、本作品でもコルデコット賞銀賞とコレッタ・スコット・キング賞を受賞している。現在、ニューヨーク在住
さくまゆみこ[サクマユミコ]
東京都に生まれ。編集者、翻訳家として活躍。玉川大学・大学院非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
39
先日キング牧師の絵本を読みましてね、娘さん興味津々だったんです。そうしたら気をきかせてくださったのか職員さんがこの本を牧師の絵本の隣に並べてくれていてですね、さっそく借りてきました。「(もう私はこのようなことが続いていくのに)疲れたから、立ちません。」物静かな女性の拒否と逮捕がこれほどの大きなうねりとなった。そのパワーに感激した。鼻息も荒く声高に抗議する姿勢も大切かもしれない。でも、この絵本は深く胸を打ちます。義母がたまたま泊まりに来ていて、「今は素晴らしい絵本があるのねえ」と読みふけっていました。2019/02/05
ほんわか・かめ
25
ローザ・バークスがきっかけとなり1955年に始まった「バス・ボイコット事件」のお話。仲間への不当な扱いに抗議するため、雨の日も日照りの日もバスには乗らず歩き続けた。そんな仲間たちへ国中から靴やコートが送られてきたエピソードは、素直に感動した。毅然としたNOと非暴力の抗議。一歩ずつ前進してきたはずなのに、制度は確実に変わったはずなのに、まだまだ道のりが長いことを知っている現代の私たち。〈2007/光村教育図書〉2021/11/29
みつばちい
22
1955年アメリカアラバマ州で市バスで白人に座席を譲ることを拒んだとして逮捕されたローザ。彼女の意志を汲み、黒人差別に立ち向かった人々のバス・ボイコット事件を描いた絵本。2022/06/04
ochatomo
21
コールデコット賞オナー受賞作 「キング牧師の力づよいことば」(画家は同じブライアン・コリアー氏)で取り上げられていたローザ・パークスさんが何故バスで席を譲らなかったか『歴史の挑戦を受けてたった』かを穏やかに伝える それはブラウン事件最高裁判決とエメット・ティルくん殺害事件判決を知っていたから 『ローザは、とても誠実で、しずかな人でした。でも心のなかには強さをひめていました。』 絵のやや歪んだ構図が冴える 原題“Rosa” 元本2005年 2007刊2020/02/21
サン
20
黒人差別をテーマにした実話の絵本。バスに白人と黒人で座る場所が指定されており、その間の席ではどちらが座ってもよいことになっていた。その席に座ったローザは運転手に移動しろと詰め寄られたが、断る。そのことにより波紋が広がっていく話。小学高学年に向いているかも。ローザ・パークスさんは、「ノー」と言える人だった。不条理な大きな波に立ち向かうことのできる心を持っていた。必要な時に気持ちを据えられるそんな人になりたい。2020/07/29