内容説明
切手にコイン、人形やジュースのびんのふた。みなさんも集めたこと、ありませんか?わたしの父は、石を集めていました。まわりの人たちはいいました。「あいつは、ポケットにもあたまのなかにも石ころがつまっているのさ」たしかにそうなのかもしれません―2001年度ボストングローブ・ホーンブック賞。ノンフィクション部門オナー賞受賞作。
著者等紹介
ハースト,キャロル・オーティス[ハースト,キャロルオーティス][Hurst,Carol Otis]
マサチューセッツ州スプリングフィールド生まれ。オハイオ州で教師を務めた後、マサチューセッツ州にもどり、学校図書館の司書となった。現在、ウェストフィールドに住んでいる。創作のかたわら、子どもや教師、図書館員のための児童書のワークショップを主催している
スティーブンソン,ジェイムズ[スティーブンソン,ジェイムズ][Stevenson,James]
コネチカット州在住。アメリカの雑誌「ニューヨーカー」に、挿絵や1コマ漫画を描く一方、これまでに100を超える数の絵本を発表し、子どもから大人まで幅広い層の支持を受けつづけている
千葉茂樹[チバシゲキ]
1959年、北海道生まれ。国際基督教大学卒業。出版社に勤務し、児童書の編集に携わった。その後、北海道当別町に居を移し、フリーの翻訳家として活躍
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
78
素晴らしい人生です。石ころに興味を持ち、分類して収集することに情熱を燃やしていた男の話。石ころなんか値打ちがないと言われても、気にせず。我が道を行く。それでもこの人は、生きて行くためにいろんな仕事をし、成功している。ついには博物館の鉱物学長に。大学にも行かせてもらえるようになった。好きなことを仕事に出来た幸せな人。でも最初からそうだったわけではないというのも大事な点ですね。2015/10/09
s-kozy
70
「学ぶ」ことの大事さをじっくりと評価した秀作。いい絵本だなぁ。2018/05/07
ちえ
48
読友さんオススメのこの本、素晴らしい本でした。〈父ほど幸福な人生を送った人を、私はほかに知りません〉「あたまに石ころがつまった」お父さんへの娘である作者の愛情がこの本につまっています。大恐慌時代のアメリカの人々の生活も想像させられました。読み終えて心の中にジーンと温かいものが残る一冊でした。2020/02/22
びわこっこ
44
植物学の父、牧野富太郎もこの絵本の主人公も、大学に行って専門的な知識があったわけではない。だが、好きこそ物の上手なれ、楽しむことで熟達することを教えてくれている絵本だ。大恐慌で仕事を失った主人公は、仕事を探す傍ら、科学博物館に出かけて行き、石ころを見て、一日中過ごすこともありました。やがて、博物館の館長に、自分の石ころのコレクションを見てもらい、夜の管理人の仕事をもらいます。石に対する情熱は、すごく、石についての学ぶ意欲も誰にも負けません。やがてはその石についての情熱が認められ、博物館の館長になるのです。2023/03/14
gtn
44
頭に石が詰まった父の姿を幼い頃からじっと眺め続け、一途に生き抜くことの真価を知ることができた娘。偉大な父である。本人にはそんな気がなさそうなところもいい。2019/09/29