内容説明
女の子ひとり=111本の木。インドのある村では、女の子が生まれるたびに、111本の木を植えておいわいします。これは、本当の物語です。物語は、ひとりの男の子からはじまりました―。
著者等紹介
シン,リナ[シン,リナ] [Singh,Rina]
インドの公共図書館すらない小さな町に生まれ育った。カナダに移住し、モントリオールにあるコンコルディア大学で文芸表現を学び、修士号を取得。その後、マギル大学に学び教育学位を取得した。現在はオンタリオ州トロントに暮らし、子どものための本の作家として執筆活動に励んでいる
フェラー,マリアンヌ[フェラー,マリアンヌ] [Ferrer,Marianne]
ベネズエラに生まれ、7歳のときカナダに移住した。モントリオールにあるドーソン・カレッジでイラストとデザインを学んだあと、ケベック大学でグラフィックデザインを学んだ。現在はケベック州ラサールに暮らし、イラストレーターとして幅広く活躍
こだまともこ[コダマトモコ]
東京都に生まれた。早稲田大学卒業後、出版社に勤務。その後、翻訳家として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぷりん
54
自然を破壊してできた工場で働き、お金を稼ぐことが、幸せなのか。いやいや、木を植え、自然を豊かにした方が、心も豊かになっていったように感じる。女の人も学校に行くことができるようになり、知恵も豊かになった。女の子が生まれることで111本の木を植え、温かい気持ちになれる本でした。これをやり始めた村長は偉大だ。2022/08/23
くるぶしふくらはぎ
47
実話。男の子は財産、女の子は婚家に取られる財産。大理石の採掘で荒れる土地。ジェンダーと自然破壊の二つを同時に解決した村長の施策。美しい語りと絵で描かれているけれど、最後に実際の写真にある樹木も美しい。守らなければならない命で世界は満ちている。2022/07/17
chiaki
40
2022年中学年夏の課題図書。長女と一緒に読了。古く昔から男の子の誕生は盛大に祝うものの、女の子の誕生を祝う習慣がなかった印・ピプラントリ村。そんな風習に異を唱えたエコフェミニスト(フェミニズムとエコロジーを結びつけて活動する人)の村長スンダルさんのおはなし。長女はピプラントリ村で根強く残ってきた男女差別、特に女の子の誕生が喜ばれないこと、十分に世話をしてもらえないことや出生前に中絶してしまうことがあるなどの実態に衝撃を受けていました。中学年さんがこの感想を言葉にするには、大人の助けが必要になると思う。2022/04/24
どあら
37
図書館で借りて読了。日本も昔は女性蔑視がありました…。2022/08/09
ヒラP@ehon.gohon
35
どうして女の子が生まれたらお祝いに木を植えるのだろう。どうしてその木が村を変えたのだろう。話の飛躍に戸惑いながら噛みしめていると、男尊女卑というジェンダーの問題を中心に置いて、スンダルさんの思いのスケールの大きさに圧倒されます。 社会ってこのような努力で改善されていくのですね。2021/06/25