アフリカの文学<br> 川をはさみて

アフリカの文学
川をはさみて

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  • サイズ 46判/ページ数 286p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784895612449
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

著者等紹介

ジオンゴ,グギ・ワ[ジオンゴ,グギワ][Thiong’o,Ngugi Wa]
1938年、ケニアに生まれる。現在、ニューヨーク大学教授

北島義信[キタジマギシン]
1944年、三重県に生まれる。大阪外国語大学インドパキスタン語学科卒業。大阪市立大学大学院文学研究科修士課程哲学専攻修了。四日市大学環境情報学部教授。真宗高田派正泉寺住職
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

22
再読。後々グギのライフワークとなる、ギクユ文化と西洋文明の相剋を描いた出発点の処女作である。ジオンゴ自身の葛藤が如実に現れていて、苦悩の度合いが押し計れるほどの文章には少々圧倒される。与える雨と奪う雨についての記述があったが、あれはギクユに流れ込んできた文明に対するアレゴリーでもあるのだろう。先進国の価値観が滅ぼそうとする文化が如何に重要で掛け替えのないものであるか、これを切々に語った作品。救いのない終わり方には暗澹とした気持ちになるが、それはこの問題が容易には解決できないことを匂わせている。2016/10/01

belier

2
イギリスの植民地政策に侵食されていく時代のケニアが舞台の小説。作者が属するギクユ人の物語。イギリスはキリスト教を伝道するために伝道所を各地に作っている。主人公の父は息子にそこで宗教ではなく、知識だけ学ぶように伝道所に送り出す。日本の和魂洋才のような考え方だ。優秀な主人公は知識を学んで故郷に戻り学校を建て、救世主のごとく崇められるようになる。反面、キリスト教徒側、伝統を守る側のギクユ人両方から突き上げられる。解決の糸口は見出せず、物語は暗い暗示で終わる。豊かな伝統を持った社会を破壊した植民地政策の罪は重い。2017/10/15

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