内容説明
1788年(天明8)、北海道松前を出帆した「松栄丸」は遭難し翌年、中国南部広東省に漂着した。水主の利三郎らはその後、浙江省へ護送され、1790年(寛政2)、帰国。大黒屋光太夫らのロシア漂流と同時期に起きた大陸漂流だったが、聡明で博学ゆえに注目を集めた光太夫とは逆に、読み書きもできなかった平凡な庶民である利三郎らの漂流は話題にもならなかった。遭難者たちの知られざる数奇な生涯を追う歴史ドキュメント!
目次
旅人と渡し守
湖国の商人
松栄丸の乗組員
どんな漂流記が伝えられているのか
船出
半年間の漂流
思いがけない来訪者
漂着地での出来事
広東省にて
広州から乍浦への旅
船便を待ちながら
長崎
ふるさとへ帰る
帰郷後の人生
著者等紹介
小林郁[コバヤシカオル]
昭和39年(1964)生まれ。大正大学仏教学部卒。近世から近代初期の漂流・漂着事件について、文献収集とフィールドワークを続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 聞き出す力 〈続〉