内容説明
日本中を震撼させた白神山地のふもとで起きた連続児童殺人事件。畠山鈴香は、なぜ事故死と断定した警察に異議申し立てをしたのか。判決をみた今も殺意を否認しつづける訳は…。今も多くの謎が残るこの事件を、どこよりも深く、執拗に取材しつづけた地元紙(能代市)の渾身のルポがついに単行本に!不可解な事件の核心へ、被告の心の深部にまで迫った、雪国の小さな新聞社の勇気ある挑戦。
目次
第1部 彩香さん事件から1年
第2部 豪憲君事件から1年
第3部 地域再生へ
第4部 傍聴記・一審
第5部 一審・判決を終えて
第6部 傍聴記・控訴審
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
澤水月
10
事件の起きた局所で発行、記者11人の地元紙による。文中「藤里の事件」と呼ぶほどのローカルさは地元住民の細かい証言も拾えるが同時に、近いだけに書けないこともあるよな…と思わせた。口にするのも憚られるような噂等…例えば黒木昭雄氏著書では06.7、記者から「警察3人が被疑者と関係を持ち捜査遅れたのでは」と質問が飛び警察言下に否定…という一幕があり雑誌が騒いだ。(法廷ライブ未読でいつどの時と今書けないが)被告の男児父親への言葉が正直どうとってもラブレターだったことも…そういった性の要素は皆無で受刑者に同情的(続2014/01/26
ハルのうた
4
柚月裕子「教誨」の元ネタとなった事件についてもっと知りたくなって手に取りました。地元の新聞社が当該裁判を追った記録。客観的に淡々と書かれていてどこかに肩入れすることもないのでこちらも偏ることなく読み進められました。 結局のところ事件の真相については判らないことが多いまま結審した印象。警察、検察、弁護士たちはどこを向き、何を大事にしていたんだろう。犠牲となった児童二人がただただ可哀想。2023/10/15
eMI-sAN
2
★★★☆☆【2009】地元新聞社が事件を検証する。どうして近所の男児まで手にかけてしまったのか知りたかったのだが、本人にも分からないのであった……。地元の混乱ぶりがよく分かりました。●健忘。2015/02/18
たれっくま
1
そもそも少女は本当に橋から突き落とされて死んだのか?そして、男の子は何故殺されなければならなかったのか?丁寧な検証を重ねているとはいえ、結局被告が何も語ろうとはしないまま、刑が確定してしまっているのは歯がゆい。もうちょっと被告の生育歴や人となりについての検証も必要だったのではないのだろうか。2010/10/24
かわのふゆき
1
記者が11人しかいない地元紙が、紙面に掲載した事件発生一年目以降の連載記事をまとめたもの。後半はほぼ裁判の傍聴記。結局、この事件は、何も明らかにされず、むなしさが残る。塀の中の彼女がこれまでと異なる何かを語るときが来るのか…。北羽新報さんの継続取材を期待。2009/12/07
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