感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
水
1
個人でまとめたものらしいが鋭い視点と細かい調査ぶりが圧巻。首謀者は、罷免された元郡司だろうという指摘は面白かった。朝廷からすれば、俘囚からより多くの米を巻き上げるために味方した郡司を左遷したものの、乱の首謀者になったがため、もっと言えば首謀者が俘囚ではなかったため、処罰がしたくてもできなかったと推測している。また、聖人のように評されている藤原保則は、不動穀を解放しなければいけなかった理由と、乱後に苛政に再び転じたことから、決して現代の評価のような人物でないとの考えも的を得ている気がした。2024/06/23