内容説明
自由党政調会長として戦後日本の復興に貢献。1960年から大蔵大臣として高度経済成長を牽引。「国づくりは人づくりから」―その功績は日本経済の礎となった。
目次
風土は人を創る
安房中学生活と大正時代
高校・大学時代と激動の昭和
東京市時代と軍部の台頭
統制経済の進行と大東亜戦争の勃発
占領統治下の日本と政治家水田の誕生
吉田長期政権と戦後復興
独立と政界再編成
高度成長の時代と政策通・水田
佐藤長期政権と水田大蔵大臣
高度成長の終焉
大学創立と人間・水田三喜男
著者等紹介
斉藤剛[サイトウタケシ]
1944(昭和19)年、千葉県市原市生まれ。千葉高出身。1969年、東京大学文学部西洋史学科卒業後、(株)学習研究社を経て、千葉県庁入庁。主として企画部において、総合五カ年計画、幕張メッセ、かずさアカデミアパーク、交通政策、まちづくりなどを担当。2003~06年度千葉県文化振興財団理事長を務める。現在、近現代史研究家として活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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トロント
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経済閣僚や政調会長を何度も経験し、高度成長期では田中角栄や福田赳夫といった後の総理大臣らと共に大蔵大臣として牽引した水田三喜男氏の評伝。就任時期が物価が上がり過ぎないようにする引き締め期に重なりがちで、落ち着いた後に後任が財政政策で良い顔すると言っていたのが面白い。とにかくマクロ経済を運営するバランス感覚が優れており60年代の高度成長期の立役者の1人として間違いないでしょう。
Masaki Maruyama
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小学生の頃は「こぶのおじさん」という印象だけだったけど、長ずるに及んで「蔵相の中の蔵相」だったと知った千葉県出身の政治家伝。本書の半分以上は水田氏が生きた大正期から石油ショック後の経済を中心とした時代背景の解説に費やされており、これがわかりやすかった。例えば終戦後、円ドルの為替レートが商品ごとに異なっていたとは知らなかった。ドッジ・ラインの「1ドル=360円」を「単一為替レート」と呼ぶ理由が、恥ずかしながらやっとわかった、といった具合。2021/10/11
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