内容説明
「人間らしさと文化の問題」「民主主義の再生と哲学」をはじめ、生活と文化の哲学を探究しつづけた著者の足跡を集大成。
目次
1 人間らしさと価値意識
2 ああ しあわせのとんぼよどこへ
3 三木清と現代
4 古在由重と真下信一
5 生活の哲学を求めて
補 嶋田豊の仕事―著作そのあとがきとまえがきから
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
1
著作集3巻にあたり、これまでの2巻とは違いマルクス主義哲学を深める論考が多くおさめられています。特に印象に残ったのは、教条主義への強い戒めと、人間の感性を大切にした学問の重要性を指摘していることです。マルクス・エンゲルス全集を読んでいても、人間的センスのない人は人間の顔を持った唯物論を語れないといった趣旨のことが述べられています。また、実践的唯物論への展望が語られているのですが、もっと個人的には深く知りたかったというのが悔やまれます。三木清、古在由重、真下信一についての論考なども大変おもしろかったです。2014/01/09