内容説明
二見は妹のいちかとふたり暮らしをしている。でも幼なじみの沙弥に翼、命や瞳に囲まれて毎日賑やかだ。それぞれ一芸に秀でた特待生の彼等は、学院でも目立つ存在だった。ある日声楽科の沙弥は学院の一大イベントである月詠祭の歌姫を頼まれるが、自信がないとそれを断ってしまう。そんな折り、ひょんなことから歌合戦にふたりで出ることになった。いっしょに歌づくりをするうちに、二見は彼女を好きな自分に気づき…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
王蠱
1
たとえ離れても時を経ても、月まで届く変わらぬ夢。原作未プレイ。読み進めているうちに和風ファンタジー系の物語になっていったときはなかなかに予想外だったが、「月の歌姫」の切なく、ある面で不条理ともいえる宿命に向きあわされた時にはもう寂しいやら哀しいやらで本を閉じそうになって、でもだからこそ、そんな宿命さえ吹き飛ばし「必ず会いに行く」という約束を実現させた二見の、幼馴染全員のキラキラとどこまでもいつまでも眩く輝き続ける星のような絆にはなんだか嬉しくなってしまって。「絆」というものを信じられる物語だった2014/10/11