内容説明
裁判員制度により身近になった法廷。しかし、そこには法律以上に大きく文化の壁が立ちはだかることがある。日中の裁判風景を比較しながら、裁くことの難しさや意味を考える注目の書。
目次
1 内なる国際化の陰で(在日外国人の増加と外国人事件;司法通訳人とは;要通訳事件の具体的事例;司法通訳の特殊性;裁判所にとっての司法通訳)
2 訴えかける中国籍被告人(日本の法廷にて;中国の法廷にて)
3 耳を傾ける紛争仲裁者(街道居民委員会と調停人民委員会;仲裁者たちの経験則)
4 中国籍被告人たちの文化的・歴史的背景(清代を例とする近代中国の司法;現代中国の司法;中国農村に見る象徴的事例;「法治国家」と「伝統的法文化」)
5 誤解の背景と司法通訳(日本と中国のもめごと処理方法;多文化共生と法律;誤解の狭間に立つ司法通訳人)
著者等紹介
岩本明美[イワモトアケミ]
1977年、山口県岩国市生まれ。大阪大学(旧大阪外国語大学)大学院言語社会研究科地域言語社会専攻修了。修士(言語文化学)。中国国営企業にて通訳翻訳業務を行う傍らフリーランスでの翻訳も行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たろーたん
1
覚書。裁判で反省しない中国人。その理由は中国では紛争の解決を裁判の判決ではなく、調停や和解で解決してきた歴史があり、紛争仲裁者に自分の情を訴えることが基本的なやり方だったから。そのため、最終陳述などでは、被害者への謝罪よりも、逮捕されて困っている自分の現状や自身の不幸な生い立ち、自分を心配してくれる家族の心痛を訴え、裁判官に寛大な処置を求める。実際、中国農村部の裁判官は法律の公正な適用を貫くのではなく、現地の実情を踏まえ、仲裁者として被告・原告への忠告や説諭を行い、事態の収拾を図っていることが多い。(続)2021/03/17




