内容説明
「チンギス・ハーンの後継者」「チベット仏教の保護者」という権威をも保持した清朝皇帝。モンゴル旗人はそれら西北「藩部」統治の実務を担うべき存在だった。彼らの言語能力・仏教信仰のあり様からその実像に迫る。
目次
1 清朝の帝国統治における蒙古旗人の役割(清朝に帰順したモンゴル人と蒙古旗人;清朝の藩部統治と蒙古旗人)
2 蒙古旗人のモンゴル語能力と清朝の言語政策(順治・康煕年間の蒙古旗人に対する言語政策;蒙古旗人のモンゴル語喪失問題;蒙古旗人の昇進ルート;乾隆帝のモンゴル語政策)
3 蒙古旗人とチベット仏教(清朝とチベット仏教;『百二老人語録』にみる松〓(いん)の自己認識
モンゴル・チベット統治に従事した蒙古旗人のモンゴルアイデンティティ)
4 清朝の帝国統治構造と八旗の多様性
著者等紹介
村上信明[ムラカミノブアキ]
1975年生。創価大学文学部卒、筑波大学大学院博士課程人文社会科学研究科修了。博士(文学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)。研究分野:清朝史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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