内容説明
西洋近代との葛藤を再考する。「模範」として導入した技術や産業、軍事や経済、そして文化は、内では「規範」となり、個人や社会に支配的に浸透した。その垂直的な圧力は時に個や国家の暴発も生みながら、今日の適応・融合への道に至る。注目の論集。
目次
規範と模範から見るアジア
第1部 規範と模範の溢れる近代(社会主義的近代化と労働模範―中国における英雄顕彰制度の事例から;母性規範の変遷―子だくさんの名誉母叙勲者女性の事例から;カザフスタンに“いきる”労働英雄―一地域における“模範的人物”の通時的経験より)
第2部 規範と模範の積極的な受容と流用(規範から生み出される模範―中国朝鮮族の「孝」文化を事例に;結婚移住女性たちをめぐる規範と模範―韓国の結婚移住女性たちの社会参画と表彰文化;中国における模範的人物の活用―広東省高州における英雄〓夫人を事例として)
第3部 規範と模範からの逸脱と多元化(贈答規範の生成と転換―日本社会のバレンタインデーを事例として;移民が生み出す新たな規範―中国福建省における顕示的消費の事例から;母国からの「親友」を歓待する―中国人の訪日観光における歓待規範;規範なき模範―「町中華」に見る日本的中華料理店の展開)
著者等紹介
高山陽子[タカヤマヨウコ]
1974年生まれ。2006年東北大学大学院環境科学研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。専攻は文化人類類、記念碑研究。現在、亜細亜大学国際関係学部教授
山口睦[ヤマグチムツミ]
1976年生まれ。2009年東北大学大学院環境科学研究科博士課程修了。博士(学術)。専攻は文化人類学、日本研究。現在、山口大学人文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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