内容説明
歴史や文化はどう消費されるのか。ヒトや集団の文化実践によって紡ぎ出された「歴史」は、市場経済や政治権力によって加工され、より大きな文脈として再配置されていく。本書は、現場の視点からそのさまざまな水流を汲み取り、全体としての動態を見極めようとする試みである。民博共同研究の成果。
目次
第1部 歴史・記憶とアイデンティティ(三江県の「六甲人」の「〓化」に関する一考察;二〇〇八〓川地震後のチャン族の都市への移住と村規民約;「歴史」の資源化―台湾に逃れたハニ族土司を事例として;歴史に関する集団的記憶とその資源化―中国東北地域瀋陽のシボ(錫伯)族の事例を中心に)
第2部 媒体の多様性と歴史表象/歴史叙述(タイ北部におけるミエンの歴史資源化;イ族にみる「歴史」の構築とその素材;自民族の歴史を書く―『トン族簡史』から『トン族通史』へ;聖なる時空の現出とその観光資源化;ベトナム、マイチャウにおけるターイの移住開拓伝承の資源化)
第3部 歴史のアーカイブ化と景観の資源化(国境地域の歴史文物とその資源化―雲南省孟連県・娜允古鎮を事例に;革命の歴史の資源化―紅色文化における解放の語りと展示の分析を中心に;雲南省元陽棚田地域における景観とその資源化―村民による映像撮影への関わりを中心に;歴史性と景観建設―寧化石壁客家祖地における時間と空間の資源化)
著者等紹介
長谷川清[ハセガワキヨシ]
1956年、埼玉県生まれ。上智大学大学院博士後期課程単位取得退学。現在、文教大学教授
河合洋尚[カワイヒロナオ]
1977年、神奈川県生まれ。2009年、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了(社会人類学博士)。専攻は社会人類学、景観人類学、漢族研究。現在、国立民族学博物館グローバル現象研究部・総合研究大学院大学文化科学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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