内容説明
自然と人間の営みが凝集された空間=島。大地とは異なるその独特な景観を、文化人類学(ヒト)・地球科学(コト)・考古学(モノ)の立場から、存分に語り尽くそう、それが本書の目論見だ。生態学や人類学の眼差しが島の悠久の歴史を探る、超学際的な重層的対話の試み。アイランドスケープ・ヒストリーズ。
目次
島景観をめぐる学際的対話
石垣島のジオアーケオロジー―絡み合う人と自然の景観史
石垣島名蔵における近世琉球統治政策の景観史―近世琉球行政文書からみる名蔵地区浅層ボーリング資料の一解釈
陸に上がったサンゴ―漆喰からみる石垣島のシマ景観
パラオ共和国バベルダオブ島の古植生調査
道の交差と記憶の相克―パラオ共和国ガラスマオ州における鉱山採掘と村落景観
成長する景観―恋路島からみた水俣
儀礼と観光のはざまの景観史―インドネシア、バリ・アガの村落の事例から
環礁州島の成り立ちと地球規模変動
「陸」の景観史―ツバル離島の村落と集会所をめぐる伝統、キリスト教、植民地主義
実践が村空間を紡ぐ―1995年、クック諸島プカプカ環礁社会の場合
水没する環礁の真実―サンゴとホシズナが作る地形
フィールドでの実感、そして歴史の島景観へ
著者等紹介
山口徹[ヤマグチトオル]
1963年生まれ。1994年慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻博士課程単位取得満期退学。2000年オークランド大学大学院人類学博士号取得。専門はオセアニア考古学、歴史人類学。現在、慶應義塾大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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