内容説明
中央・国家の視点を避け、地域間・双方向のベクトルに注目する時、人々の生き方や国境の意味がリセットされる。さまざまな論理と力学が絡み合う境界線上を一つの社会と捉え、研究・理解に新たな視覚を探る。
目次
第1部 実践(移動・移住の経験と実践―東シナ海国境海域をゆきかう漁民たち;「再録」変則貿易の時代―戦後対馬における日韓「交流」の諸相;近代八重山におけるモノの越境―台湾との関係を中心に)
第2部 自/他認識(国境を生きる―沖縄石垣島の台湾系華僑・華人の越境経験と組織形成;交錯するツーリズム―八重山台湾間の観光をめぐる台湾認識のあり方;越境のツーリズム―韓国人の対馬観光をめぐって)
第3部 歴史認識(つなぐ記憶/ずらす記憶―現在の八重山・台湾境域における越境の試みをめぐって;歴史的事件の再解釈と資源化―台湾原住民族パイワンによる「牡丹社事件」をめぐる交渉;ポストコロニアルにみる対馬の祭りの可能性―時の辺境化と儀礼の力;引揚げ体験に見るノスタルジア―朝鮮半島、満州、シベリア、南京からの引揚げ)
附録(韓国人観光客アンケート調査報告書;クルーズ船台湾人観光客アンケート調査報告書)
著者等紹介
上水流久彦[カミズルヒサヒコ]
1968年鹿児島県生まれ。2001年広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期修了。博士(学術)。専攻は社会人類学、東アジア社会論。現在、県立広島大学地域連携センター准教授
西村一之[ニシムラカズユキ]
1970年北海道生まれ。2000年筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科単位取得退学。博士(文学)。専攻は文化人類学、東アジア地域研究。現在、日本女子大学人間社会学部准教授
村上和弘[ムラカミカズヒロ]
1965年宮城県生まれ。2001年大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。2015年韓国・蔚山大学校大学院博士課程修了。Ph.D.。専攻は文化人類学・民俗学。現在、愛媛大学国際連携推進機構准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 和書
- 小学館常用国語辞典