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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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今回は少数民族に対する言語教育について、知りたかったので曽士才の章を読んだ。ここでは、南方少数民族のミャオ族について論じられていた。南部の少数民族においては、彼らの民族語は漢語を理解するためのツールと見なされ、民族語による教育は小学校低学年に限定されることが多いそうだ。そのため、漢語中心の教育が行われていた。しかし、バイリンガル教育を導入してみたところ、漢語の理解もより深まり、ミャオ文字の習得もうまくいったそうだ。自らの文字を持つことは自らの文化的アイデンティティー構築にも役立つ。2015/08/24
セイタ
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ハニ棚田へフィールドワークへ行く前に、ハニ族について知るために稲村務が書いた「ハニ語と中国語の間」のみ読んだ。翻訳とは自らの枠組みに対象を無理やり押し込めるにすぎない。ハニ語は中国語に翻訳される過程で、ハニ語には存在しない区別が中国語では生まれたそうだ。つまり、漢民族から見た枠組みに押し込まれた。それに対抗して、ハニ族の知識人が台頭する過程で、ハニ語の音訳が増えたそうだ。中国語の発音にない発音が多いのだが、その方がある意味正常なのかもしれない。中国人にとっては、胸につかえるような感触を与えてしまうのだが。2015/03/04