内容説明
壁?境界?内と外の違いってなんだろう!ひととひと、集団と集団、ひとと集団の間にあるもの=ボーダーという存在は実にやっかいだ。身を守る盾は、立場をかえると、するどい矛となって襲いかかる。生きづらさの根にある「線引き」を、よってたかって考えてみた。社会学者・好井裕明とその教え子の体験・思索・人生から生まれた、思いの滴たち。つらい時、前を向く言葉が見つかることを目指して編まれた一冊です。
目次
序章 「ボーダー」を考える
第1部 ボーダーを可視化する(イギリスのインクルーシブ教育―日本の学校のあたりまえを疑う;入院時のリハビリ経験から対面的インタビュー調査について考える;「見える問題/見えない問題」が見えなくするもの ほか)
第2部 ボーダーとともに生きる(止むに止まれぬ―自発性と非自発性のボーダーに立つボランティア;ボーダーと向き合い、他者に出会うこと―外国で暮らす日本出身女性の語りから;複数のボーダー―ある在日フィリピン人家族の経験から ほか)
第3部 ボーダーを引き直す(伝わることば―エイズ・アクティヴィズムの「手紙」;よそよそしい連帯―「フラワーデモ京都」世話人としての日々から;地域の祭礼文化の研究者か、担い手か―「青森ねぶた祭」を巡るメディアとしての私 ほか)
著者等紹介
好井裕明[ヨシイヒロアキ]
1956年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。京都大学博士(文学)。現在:摂南大学現代社会学部特任教授。専攻:日常的差別の社会学、社会問題のエスノメソドロジー、映画の社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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