目次
巣鴨の門
文人の感起
花とローソク
東京裁判の二年間
二十七死刑囚の記録
巣鴨生活みたまま
東京裁判の終幕
七人との面談記録
昭和二十三年十二月二十三日午前零時一分
平和の発見
東条元大将の遺言
著者等紹介
花山信勝[ハナヤマシンショウ]
明治31年12月3日、宗林寺住職花山時勝師の長男として生まれる。十一歳のとき父親に死別したため金沢市松ヶ枝町尋常小学校卒業と同時に、大谷光瑞師が直営をはじめた兵庫県武庫郡の武庫中学に選抜されて入学、大正4年四高にはいり、東大哲学科に在学中二十一歳で宗林寺住職になった。大正13年東大大学院修了後、2年間英、独、仏に留学、印度仏蹟を踏査して帰る。日大、洋大、国学院大、東京文理大、九州大、東大各講師及び教授を歴任して昭和14年東大助教授、昭和21年同教授となり、34年定年で退官。東大教授退官後、浄土真宗本願寺派門主から北米開教区開教総長に任命され約十年間滞在、この間米国の永住権を得た。著書は聖徳太子の研究を中心に日本仏教など多数にのぼる。平成7年3月没。享年96歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おさむ
35
昨年末に読んだ「教誨師」でも言及されていた、巣鴨プリズンでのA級戦犯らの死刑囚らの教誨師だった花山氏。死刑執行に至るまでの詳細なやりとりは、歴史的な価値がある資料。死にざまも人それぞれだったことがよくわかる。仏教の道を知ることで心の平安を保っていた戦犯たち。その姿は、戦場に聖書を持っていた米兵の話とあわせて、宗教の持つパワーというものを感じさせる。2019/03/21
ぴー
2
巣鴨プリズンで初めて教誨師となり、東條英機をはじめとするA級戦犯を含む多数の戦犯に対し仏の道を説いた浄土真宗の僧侶、花山信勝氏本人による記録。死刑囚の遺書や死に際の会話のやりとりなどが細かく記載されている。死に直面した人間の精神状態は斯くなるものかと興味深かった。大変感動した。2017/12/04
WAKUWAKU
0
戦後75年が経過しようとしている現在、世界は新型ウィルスに苦しんでいます。そこには、世界どの国でも同じ苦しみがあります。何を考え、どう行動しなければならないのか。また自由に自らの意志で時を歩む事が許されたら、次の世代へのバトンはどの様に渡すべきなのか、生き方が各国・各人に問われています。この本に登場された人物は皆同様に、真実の平和を願って逝かれました。私へもその自覚が問われた一冊でした。2020/04/21
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