出版社内容情報
花の香りの不思議に迫る最前線の研究者が、
香りの仕組みから機能性・文化までを分かり易く語りかけます!
花が地球上に現れてから現在に至るまでに、花の色や香りが恐竜の生態系も動かしてきたことなど、思いも寄らない花の香りの不思議を垣間見ることができます。花の色とは違い、香る分子は見えないこともあり、香りの世界を理解することはなかなか難しいです。
本書は、著者達の工夫によりおぼろげながらも香りが見えるような気にさせてくれます。それは、花の香りが生まれ解き放たれるまでの精緻な仕組みが、著者達の研究現場の様子を通した熱い思いや工夫によって、少しずつ解き明かされてきている様子がユーモアを込めて詳細に紹介されているからです。花の香りを自在にコントロールできる時代の鼓動を感じられる今だからこそ、香りに関心を持っている方々はもちろん、生命の不思議な営みや、分子の振る舞いに関心を持つ次代を担う学生や研究者達にもぜひ手にとっていただきたい一冊です。
「香り選書」シリーズは…
香りや匂いに関する科学的知識をわかりやすく解説し、多くの方々に伝えることを目的とした、「理解しやすい香りの本」です。
目次
第1章 香る花・香らない花
第2章 花の香りの役割
第3章 花の香りの正体
第4章 香りの採取・分析法
第5章 花が香る仕組み
第6章 花の香りを作る酵素と遺伝子
第7章 花の香りを変えることはできるのか
第8章 花の香りを評価する
第9章 花の香りの効果
第10章 花の香りの文化
第11章 研究の現場から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かず
2
今年度から職場で香りのばら新品種コンクールを担当しており、両先生には審査委員としてお世話になっている。「これは是非に読まねば!」と思い、購入。「香り」というと、私のような素人は「いい」か「悪い」くらいしか表現が出来ないのだが、その基には多数の揮発性化学物質があること、花の香りは子孫を残すため、実に緻密なプログラムの元、発散されているのだということなど、専門的な事柄が素人にも分かりやすく説明されている。また、花の香りの効果の章、花の香りの文化の章については文系人間にも入りやすく、実に懐の深い本だと感じた。2014/06/30
えりっく
0
香りって色素体が作るんだ〜!てか花の部位とか育ちとかに寄って香りが違うとか、香りの長さとかを調べて何になるかよくわかんなかった(._.) てか、著者がお父さんと漢字違いの同姓同名だったから読んでみた!とゆーのもある笑2013/10/16
de sang-froid
0
日本の研究者らによる著書で、バラやユリ、ペチュニア、キンギョソウなどを用いた香りの実験・研究についてかかれています。専門的な部分も多いのですが、新しく育種された品種や、まだ知らない香りのある植物も載っていて、いつか栽培してみたいです。2009/12/11