内容説明
複数の言語のはざまで生きる人々は、ドイツ語とどのように向き合ってきたのか。―母語話者/非母語話者の苦悩、移民作家によるドイツ語文学、森〓外の名付けの秘密、ドイツ語書きことば標準語化への道のり、パラケルススの「魔術的文体」、グリムのメタファーに込められた言語観…ことばをつくり、使い、整え、疑い、格闘してきた人々のその営みを俯瞰する。
目次
第1部 異言語に生きる(小説家の目から見たドイツ語;移民の背景を持ったドイツ語文学;カフカとドイツ語―複数の言語のはざまで書く「不可能性」;シーボルトとドイツ語;森〓外とドイツ語の名前;明治期におけるドイツ科学用語の受容)
第2部 ドイツ語の主題と変奏(愛郷者オトフリート―theodiscusとfrenkisg;ドイツ語書きことば標準化の進展とルター;16世紀の医師パラケルスス―「学術的ドイツ語」の創造者か、「魔術的文体」を操る錬金術師か;モーツァルト家の人びとが書簡に書き綴ったことば―私的空間の文章語における近しさの色合いをめぐって;『ハイジ』のドイツ語―そのスイス的要素を探る;J.グリムの言語論におけるメタファー―ドイツ語の瓦礫に照らし出される原初言語)
著者等紹介
井出万秀[イデマンシュウ]
立教大学文学部教授
川島隆[カワシマタカシ]
京都大学大学院文学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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