内容説明
新聞、映画、文学、演劇、マンガ、カストリ雑誌、探偵小説、メロドラマ、消去される都市―“ヤミ市”を起点に広がった文化と表象を多角的に考察する。
目次
1 シンポジウム(戦後池袋の検証―ヤミ市から自由文化都市へ)
2 都市とメディア(都市としての闇市;民衆駅の誕生―国鉄駅舎の戦災復興と駅ビル開発;読売新聞による「新宿浄化」キャンペーン―ヤミ市解体へのエール)
3 ヤミ市の表象(敗戦後日本のヘテロトピア―映画の中のヤミ市をめぐって;小説テキストにおける闇市・闇屋の表象;石川淳「焼跡のイエス」から手塚治、梶原一騎、王金太「ReMember」―戦後マンガにおける闇市の表象分析)
4 風俗と表現(占領期東京の小劇場・軽演劇・ストリップ―秦豊吉と東郷青児の邂逅;占領期のカストリ雑誌における原爆の表象;昭和二〇年代の探偵小説―『宝石』の作家たちと新宿;映画『君の名は』(一九五三~一九五四)論―戦後的メロドラマの通俗性と感傷性)
著者等紹介
井川充雄[イカワミツオ]
1965年、東京都生まれ。立教大学教授。メディア史
石川巧[イシカワタクミ]
1963年、秋田県生まれ。立教大学教授。日本近代文学・文化
中村秀之[ナカムラヒデユキ]
1955年、静岡県生まれ。立教大学教授。映画研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アメヲトコ
5
戦後の闇市とその文化について、都市史・メディア史・文学のそれぞれの立場から論じた一冊。前半の実態に即した分析はかっちりとして面白かったのですが、後半の表象文化論になると議論が軽くなり、終盤に至ってはもはや闇市関係なくなるという、何とも竜頭蛇尾な印象でした。2017/03/17
塩崎ツトム
3
埼玉県民の盛り場、池袋の話とか、民衆駅の話とか、カストリ雑誌のこととか……。2017/05/27
dungeonn
1
★3 興味あるところだけつまみ読み。全体の1/4くらいかな?寅さん読本の川本三郎さんが書いていたので興味を持って。 序盤のシンポジウム、戦後池袋の検証はとてもおもしろく読めました。 複数の作家さんからなる本なので、読みやすいひと、読みにくい人の差が激しい。 ちなみに力道山、大山倍達、ともに日本人でなかったのを知らなかったので、ビックリ! サザエさんたちも闇市に行ってたんやなあ!2024/05/09