内容説明
言語学における語用論・統語論と、文学理論におけるナラトロジー(物語論)とを融合し、「作者」「語り手」「視点」といった「表現主体」の多層性の観点と「人格」の乖離という概念を組み合わせた分析の枠組みを構築。「文芸の言語」と「日常の言語」は何が違うのか。物語の言語表現に着目し文学理論をアップデートする画期的著作。
目次
第1章 総論
第2章 表現主体
第3章 虚構と表現主体の階層
第4章 引用と表現主体の階層
第5章 時間と表現主体の階層
第6章 結語
付録 文章を潜在的に引用する機能について
著者等紹介
福沢将樹[フクザワマサキ]
1969年北海道余市町生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。2000年愛知県立大学専任講師、助教授・准教授を経て2015年より同教授。専門は国語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モリータ
7
『日本語の研究』で違和感おおあり・困惑気味の書評が載っていたが、後半にテンス・アスペクト論もあるとのことで買ってみた。とりあえず冒頭と時制論のところをざっと読もうとしたが…実例はおろか簡単な作例さえ挙げられておらず…またナラトロジーと銘打つなら、当然一文を越えて文の連なりが分析されると思ったのだが…。用語の使い方や工藤真由美と加藤重広、森山卓郎のアスペクト分類をまとめたのがこれ、などというのはもはや暗黒微笑です。表現主体の階層・引用のところはまだ例示があるようですが、まともに読む勇気はありません。2018/08/27
BsBs
2
ナラトロジー(物語論)というよりは、言語学の書籍のように感じた。もっとも、ナラトロジーとは私が思っている以上に広いものであるのかもしれないが。 言葉の定義を慎重に行いながら、個々の事象について分析を行っていた。あとがきでも述べられているようにもう少し突っ込んだ考察があってもよかったかもしれない。表現主体だけでなく、言及対象側からの考察も見たかった。 繰り返すが、本書は入門書的な側面が強く、ここからさらに学習を深めていくためには論文などを漁る必要があると思われる。言語学ならともかく、ナラトロジーならなおさら2016/10/31
浦和みかん
1
文芸言語だけでなく日常言語まで取り扱いながら文章における<私>とは何かを明らかにする。虚構や時制を階層間の人称のずれで考察する考えはとても面白かった。2016/11/28




