目次
第1部 感性の変革(消し去られた無人称;自己意識の可変性 ほか)
第2部 変革期の物語(二人のふとで者―多助とお伝;戯作のエネルギー―毒婦誕生の場合 ほか)
第3部 物語の変革、あるいは小説の発明(戯作とそのゆくえ;「小説」の発見―視点の発見を中心に ほか)
第4部 「読者」と「作者」の生産様式(読者の位置―源氏・宣長・種彦・馬琴・逍遙;虚の読者 ほか)
著者等紹介
亀井秀雄[カメイヒデオ]
1937年、群馬県に生まれる。1959年、北海道大学文学部卒業。1968年、北海道大学文学部助教授、1984年に同教授。2000年、同大学を定年退職、名誉教授。同年、市立小樽文学館館長。2014年、同館退任。同年、合同会社オピニオン・ランチャー設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ねぎとろ
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見る視点、視線の観点が変化すれば、身体を通して作者/読者の感性自体をも変化させるだろう。ではその変化の在り方や来歴、あるいはその結果として失われた視点は何か、明治文学を題材に徹底的に論じる。参照されている理論家の一人である吉本隆明についても、その理論に「他者が存在しない」と手厳しい。しかし、その実にしつこい論述、拘り方は吉本を思わせる所があり、やはり影響は大きいのか。本論については、失われた視点を代表する存在としての幸田露伴が興味深い。柄谷行人の文学史を徹底批判した11章は圧巻である。間違いなく名著だ。2024/01/08