目次
第1編 派生文法の原理(連結子音と連結母音と―日本語動詞無活用論;日本語の膠着語的性格―日本語の動詞は活用などしない;現代日本語動詞接尾組織考―伝統文法批判)
第2編 日本語文法新論―派生文法序説(有意音;名詞と接尾辞;動詞と接尾辞;動詞の種々性;文)
第3編 日本語動詞体系発達史(古代日本語の動詞接尾組織;上代語「加行延言」又は「久語法」の本質;所謂「音便形」の起源と成立―日本語動詞の形態素分析に寄する;所謂「二段活用の一段化」の起因―音韻変化が文法変化を)
著者等紹介
清瀬義三郎則府[キヨセギサブロウノリクラ]
1931年生まれ。東京府東京市麹町区(現・東京都千代田区)出身。1954年京都大学文学部言語学科卒業。1964年より米国インディアナ大学にて助手、講師、助教授を歴任。1973年インディアナ大学よりPh.D.(哲学博士)を受ける。1974年カリフォルニア州立大学助教授に転じ、更に1979年ハワイ大学に移って大学院助教授、準教授、正教授を歴任。1994年退任し、ハワイ大学名誉教授となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
terve
13
日本語には活用がないという概念のもと記述された本。膠着語である日本語はウラル語族やアルタイ諸語などと同様に、活用など存在せず、あくまでも形態素が語尾に接続していく言語であるということを主張しています。この本を読んでみて首肯する部分が多かったのは、活用に対する疑念があったからでしょう。本論では、母音幹動詞と子音幹動詞という二つに分類しているため、なるほど現行の文法は要らなくなります。こう見てみると、内的な考察も必要ですが、対照研究させていくということも必要だということが分かりますね。2019/08/22