内容説明
誰にとっても身近な建築環境をエクセルギーの概念で解明すること、これが本書のテーマである。第一部では、照明、体温調節、暖冷房、涼房、鉄やコンクリートの生産・運用等々をエクセルギーの視点で読み解く。第二部では、エネルギーの出入りだけがあるような「閉鎖系」、エネルギーに加えて物質の出入りもある「開放系」の双方について、エクセルギーの基礎理論を明らかにしている。本書を読みすすむと、流れ・循環といった自然の摂理にかなうデザインや技術の大切さがわかってくる。建築環境学と熱力学を結びつけた本書は、「総合化」という21世紀における学問の課題にも貴重な示唆を与える著作といえるだろう。
目次
エクセルギーの見方・考え方
第1部 エクセルギーで見る・考える(地球環境システム;建築環境システム)
第2部 エクセルギーを見る・考える(熱拡散―閉鎖系の理論;物拡散・熱拡散―開放系の理論)
著者等紹介
宿谷昌則[シュクヤマサノリ]
1953年東京に生まれる。1976年早稲田大学理工学部建築学科卒業。1982年早稲田大学大学院博士課程修了。工学博士。1983年早稲田大学理工学研究所奨励研究生。1983~1985年(株)日建設計。1985年武蔵工業大学工学部建築学科専任講師。1988年武蔵工業大学助教授。1988~1989年カリフォルニア大学ローレンスバークレー研究所客員研究員。1995年武蔵工業大学工学部建築学科教授。1998年武蔵工業大学環境情報学部環境情報学科教授。2001年武蔵工業大学大学院環境情報学研究科教授(現職)。2001年~前橋工科大学大学院非常勤講師、2001~2003年九州大学工学部非常勤講師、2003年~早稲田大学大学院非常勤講師。主な著書に「光と熱の建築環境学」(丸善、1993年)、「自然共生建築を求めて」(鹿島出版会、1999年)。1991年に空気調和衛生工学会論文賞、2001年に日本建築学会論文賞
西川竜二[ニシカワリョウジ]
1970年東京に生まれる。1992年武蔵工業大学工学部建築学科卒業。1998年武蔵工業大学大学院工学研究科博士課程修了。博士(工学)。1998~2001年東京理科大学理工学部建築学科助手。2001年秋田大学教育文化学部専任講師。2004年秋田大学教育文化学部助教授(現職)
高橋達[タカハシイタル]
1968年横浜に生まれる。1991年武蔵工業大学工学部建築学科卒業。1993年東京工業大学大学院社会開発工学専攻修了。修士(工学)。1993~1994年(株)大林組。1995年武蔵工業大学研究補助員。1999年武蔵工業大学大学院博士課程修了。博士(工学)。1999~2001年武蔵工業大学客員研究員。2001年福岡工業大学社会環境学部専任講師(現職)
斉藤雅也[サイトウマサヤ]
1970年津に生まれる。1994年武蔵工業大学工学部建築学科卒業。2000年武蔵工業大学大学院工学研究科博士課程修了。博士(工学)。2000~2001年武蔵工業大学客員研究員。2001年札幌市立高等専門学校専任講師(現職)。2003~2004年コーネル大学人間生態学部客員研究員
浅田秀男[アサダヒデオ]
1967年神戸に生まれる。1991年武蔵工業大学工学部建築学科卒業。1993年武蔵工業大学大学院建築学専攻修了。修士(工学)。1993~1995年(株)大林組。1995~1998年武蔵工業大学客員研究員。1998~2000年(株)システック環境研究所。2001年武蔵工業大学大学院にて博士(工学)取得。2001年東京理科大学理工学部建築学科助手。2002~2003年デルフト工科大学建築学部客員研究員。2003年東京理科大学非常勤講師(現職)
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