内容説明
蘚の恋愛など異様な光芒を放つ『第七官界彷徨』をはじめ、若い世代やフェミニストの間で注目される尾崎翠。翠再評価の口火を切り、奇才縦横のレトリックで世界を駆けめぐる花田清輝。二人のテクストをユーモアとパロディの精神で読み解く異色の評論。
目次
序論 映画『第七官界彷徨―尾崎翠を探して』に寄せて(よみがえったまぼろしの作家;フェミニズムのネットワーキング ほか)
第1章 ミューズとケンタウロス―尾崎翠と花田清輝の出会い(七という数字に憑かれた人たち;チャーリーの杖と帽子への偏愛 ほか)
第2章 少女の彷徨と蘚の恋愛―尾崎翠の世界(もう一人の私を探して;不思議の国の町子 ほか)
第3章 笑う男と鳥獣の戯れ―花田清輝の世界(笑いの戦略;喜劇的精神とエコロジー ほか)
第4章 ユーモアの精神とパロディの論理―尾崎翠と花田清輝を結ぶもの(笑いとユーモア;パロディの論理 ほか)
著者等紹介
土井淑平[ドイヨシヒラ]
1941年、鳥取市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。政治思想を専攻。通信社勤務を経て、エコロジーなどの市民運動に携わりながら、執筆活動を進める。「尾崎翠フォーラム・in・鳥取」実行委員会代表
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