内容説明
「てつがくのライオン」「あいたくて」「のはらうた」…から未刊詩までを含む、自選詩一〇九篇を収録した幸福な一冊。
目次
1 地球いろいろ
2 生きものいろいろ
3 のはらのみんな
4 こどものころ
5 でんせついろいろ
6 こころいろいろ
著者等紹介
工藤直子[クドウナオコ]
1935年台湾に生まれる。詩集『てつがくのライオン』(理論社)で日本児童文学者協会新人賞、童話『ともだちは海のにおい』(理論社)でサンケイ児童出版文化賞、『ともだちは緑のにおい』(理論社)で芸術選奨文部大臣新人賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
107
この詩集は本当にお勧め。現代詩のように難解なところがないので、詩の苦手な方でも楽しく読めます。くすくす笑ったり、じーんと感動しながらページをめくり、読み終わった後は胸の中に何とも言えない温かなものが広がっていきます。特に気に入ったのは「いしころかずお」、「おたまじゃくしわたる」といった原っぱの仲間の詩が収録された第3部と、大人向けの詩が多い第6部。お気に入りの詩を一つご紹介。「わたしは/わたしの人生から/出ていくことはできない/ならばここに/花を植えよう」2014/11/21
shio
38
夏に読みたい本が読めないまま、夏が終わりそう!毎年思い出すのは、「おれはかまきり」の「おう なつだぜ」。笑いながら暗唱していた、小学生の頃の娘の夏休みを思い出します。(この作品には「てれるぜ」収録)愛に溢れた明るい言葉を吸収して、心が潤って喜んでいる。こんな愛に満ちた目で世界を、生き物を、人の心を見ることができたら、毎日が煌めいて充実するだろうな。と、思いきや、最後の〈こころ いろいろ〉の章では切なく寂しい感情の数々。それでも、最後は生きてることに愛おしさを感じる、そんな詩集でした。2021/08/24
石油監査人
20
工藤直子は、コピーライター出身の詩人で童話作家。漫画家の松本大洋の実母でもあります。この本は、工藤の詩集「地球いろいろ」、「生きものいろいろ」、「のはらのみんな」、「こどものころ」、「でんせついろいろ」、「こころいろいろ」から自選詩109篇を収録しています。 完結で分かりやすい言葉で綴られながら、子供から大人まで読み手の心を動かして強い印象を残す工藤の詩。改めて読むと、とても深い心理を表現していることが分かります。河合隼雄からユング心理学を学んだという工藤は現代詩の詩人として特別な存在であると感じました。2023/05/27
黒澤ペンギン
12
かたつむりになったり、ライオンになったり、風になったり、地球になったり。心はこんなにも自由だったのかと、心底驚いた。そして、自然と外に目を向けたくなった。「のはらのみんな」と「こころいろいろ」が特に好みだった。春になったら外で読みたい。2022/12/26
あつ子🐈⬛
10
工藤さんの文章を読んでいると、ささくれだった心が穏やかになるような気がします。優しくて、時おりクスッとできて、たまに哀しくて。 ああ人類に、詩は必要だ。2021/03/08