ハルキ文庫<br> 三国志〈10の巻〉帝座の星

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ハルキ文庫
三国志〈10の巻〉帝座の星

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  • サイズ 文庫判/ページ数 320p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784894569638
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

関羽雲長死す。その報は蜀に計り知れぬ衝撃を与えた。呉の裏切りに対し、自らを責める孔明。義兄弟を失い、成都へ帰還した劉備と張飛は、苛烈な調練を繰り返し、〓州侵攻、孫権討伐を決意する。一方、魏王に昇り、帝を脅かす存在となった曹操は、後継を曹丕に譲り、刻々と迫る死に対峙する。司馬懿とともに魏内の諜反勢力を駆逐する曹丕。劉備の〓州侵略に備え、蜀へのあらゆる諜略を巡らす孫権。英雄たちの見果てぬ夢が戦を呼ぶ、北方三国志波瀾の第十巻。

著者等紹介

北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部法律学科卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、85年『渇きの街』で第38回日本推理作家協会賞長篇部門、91年『破軍の星』で柴田練三郎賞をそれぞれ受賞。近年は、時代・歴史小説の分野にも力を注いでいる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

381
曹操の死により一つの時代が終わった。普通はここから面白みが一段下がるのに、個人的には曹丕と陸遜がすごく好きで、楽しく読めた巻。曹丕の屈折した二代目感はかなり良い。ノワール的な筆致でもっともっと描きこんで欲しい。孫権や司馬懿との裏の読み合いは、戦とは違う面白さ。そして中盤からは張飛の一人舞台。香の死から、少し様子がおかしくなり、ここでまさか幽を出してくるとは。最期の最期まで恰好良く描写され、これはファンも増えるだろうと納得。劉備は…少しずつ存在感が薄められ、静かに消えていきそうな予感。2018/12/21

ehirano1

115
曹操の最期をここまで美しく描いた作家がこれまでにいたでしょうか、というくらい感嘆し、感動すら憶えました。一方、息子の曹丕はロクな死に方しないような気がしますが・・・。2017/06/11

はっせー

107
一人ずつ英傑たちが去っていく。英傑たちの死が一種の乱世の世の終結に繋がっていく。今回の巻でも多くが舞台から降りていく。その中でも象徴なのが曹操と張飛であろう。その2人は初期から活躍している。そんな2人はどちらも自分の死んだあとの世を憂えていた。とくに張飛の死は史実と大分違う気がする。部下をむち打ちして逆恨みされて寝ているときに殺されたと。だが強い張飛の死に方として納得しにくい。だからこそあのような形を取ったのかと思うとフィクションならではの良さが存分に出ているような気がした!早く続きを読みたい!2022/11/02

へロム

101
ひとつの時代が過ぎ去った。曹操が亡くなった。しかも、戦場ではなく病死だ。その後、張飛も亡くなる。これも呉の陰謀による毒殺である。戦場で戦わずして亡くなる無念。生を受けた時から人は死に向かって歩んでいるのだから、どうしようもないことだが残念至極だ。張飛は強いが思いやりもあり、大好きな人物だったので余計にそう感じるのかもしれない。主だった人物が次々に亡くなり、終盤に突入だ。2014/02/09

mayu

86
初期からいた英傑が次々と退場。わかってはいたけど、ひとつの時代の終わりを感じ淋しくなる。最も天下に近づいていたはずの曹操の死。夢半ばだったけど、限られた命の中でやれることはやり切った感もあり、穏やかな最期だったと思う。辛かったのは張飛。関羽の死で傷ついていたところに重なる別れ。董香を失った後、酒に溺れる張飛は痛々しかった。乱暴者のようでいて、情に厚く妻のことも深く愛していた張飛。私はそんな彼を好ましく思っていた。兄弟の契りを結んだ二人を失った劉備。これからは天下よりも二人への義を通すために生きるんだろう。2021/05/23

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