出版社内容情報
学生ルポライターとして活動するおれはある日、三星財閥令嬢・石崎郷子に近づくなという脅迫を受ける。その直後、石崎家の執事から、失踪した郷子の行方を追ってほしいという依頼が舞い込む。一連の事態を受けて捜索に乗り出したおれは、やがて二つの大きな犯罪組織を敵に回すことになってしまう……。若き日の狼男・犬神明と蛇姫・石崎郷子との出会いを通じて描かれる、アダルト・ウルフガイシリーズ第十一弾。(解説・余湖裕輝)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のりのりのり
3
平井和正は中毒性のある作家だと改めて感じさせられた。少ししつこいかなともとれる主人公の心像描写によってこころの深いところまで物語が入り込んできてしまう。いつも平井和正の作品でしか味わえない独特の感覚がある。アダルトウルフガイ全て読破したなかで今回が一番面白かった。ヤクザとの闘いの最中大怪我しながら仕事の心配してる辺りや、大怪我しながら風呂にだけは入ってしまうタフガイ振りが個人的にツボだった。2016/05/25
issy
3
21歳の学生トップ屋だった頃の犬神明と19歳?の石崎郷子の関わりを軸に、ヤクザ勢力や日本の黒幕との駆け引きと暴力が描かれるアダルトウルフガイ外伝。女出入りが激しい割に女に滅法弱いところや、つい調子に乗り過ぎて痛い目を見るところなどは若い頃から変わらない、という設定。ヤクザになりたくないヤクザ綿貫のキャラクターは他のウルフガイシリーズにはない魅力。ラストは任侠映画のクライマックスシーンへのオマージュ的な印象。2012/06/06
tukasa
1
中高生の頃夢中になったアダルト犬神明シリーズ、唯一読んでなかった一冊。たしか「全て読み終えてしまう」のが嫌で残していたように思う。暴力に次ぐ暴力、自賛と自省を繰り返す無軌道ぶりは、今や初老となった身には胸焼けしそうだったが、それでもぐいぐい読ませる筆力はさすが。読み終えて、これでやっと、お別れが言えるような気もする。2024/05/07
瑠璃香
1
電子書籍で読んだので、一応登録。かっこよかった!!
アヴィ
0
アダルトウルフガイシリーズ自体は、随分昔に読了。 最後は女神様がデテキタリ、陰謀説が話の中心になったりと 作者の信仰とともに迷走していたのを思いだします しかし、番外編の本作だけは、確かに若き日の犬神明がいました 狼男の巻き込まれる凄まじい暴力の嵐と突破力。 作者は既に故人だが、シュウキョウに嵌まった後にもこんな作品が 書けていたことに、ただただ驚き2024/06/04