出版社内容情報
五月をこよなく愛し、五月を生きた寺山修司は、本書で、その文学の才能を余すところなく発揮した。二十二歳の青年寺山が紡ぎ出した詩・短歌・俳句・戯曲・ジュリエット・ポエットという、ジャンルを超えた珠玉の作品の数々。青春の結晶ともいうべき輝くばかりの記念碑的処女作品集、初文庫化。 (解説・白石かずこ)
内容説明
五月をこよなく愛し、五月を生きた寺山修司は、本書で、その文学の才能を余すところなく発揮した。22歳の青年寺山が紡ぎ出した詩・短歌・俳句・戯曲・ジュリエット・ポエットという、ジャンルを超えた珠玉の作品の数々。青春の結晶ともいうべき輝くばかりの記念碑的処女作品集、初文庫化。
目次
森番
真夏の死
祖国喪失
燃ゆる頬
鳥影
雉子の詩
墜ちた天使
レーナの死
楔形文字
森での宿題〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
21
一見すると混沌としているように見えるが、この作品がすべて十代の作品であり、寺山修司の処女作品集であると知ると、途端に見方が変わってくる。これは混沌ではなく萌芽だ。無数の枝葉があり、これから成長していくものたちである。それは時を経て大輪の花を咲かせる大切な芽なのである。俳句、短歌、自由詩、戯曲、さまざまなジャンルの作品が収められ、若き日の寺山修司を想像させる。ピュアであるがゆえに脆く、ストイックであるがゆえに眩しく、そんな稀有な才能の持ち主の原点を垣間見たような気にさせられる。2012/03/10
ゆりこ
5
「目つむりていても吾を統ぶ五月の鷹」青空に5月を意識する時、この句が必ず浮かんできます。青春、青年、潔癖でまぶしい言葉がつまってる1冊です。2013/05/06
umiumi
2
青春と言うにふさわしい、目を背けなくなるほどまぶしい恥ずかしいそして暗くもある青さ。2011/04/25
麻耶
1
合唱曲として出会ったのでどうしても歌ってしまう。一番好きな詩集のひとつ。
フク
1
★★★★★。五月、寺山の生まれ月であり、人生の木の芽時、青春期を指す。二十歳の時に出版された処女作品集である本作は、寺山の早熟な才能を余すところなく伝えており、個人的に最も愛する彼の創作物である。あまりにも有名な短歌「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」など、鮮やかなイメージに満ちた言葉の数々に溢れている。2011/10/12