内容説明
2018年9月6日午前3時7分、道民はかつて経験したことのなかった「激震」に見舞われた。地震による全域停電=ブラックアウトはなぜ発生し、人々はどう動き、企業や行政はどう対応したか。発生から3日間、被災者が遭遇した出来事を時系列でつづったドキュメントなど、その経験を語り継ぐとともに北海道電力の電源政策をひもとき、未曽有の事態を引き起こした背景を検証。同時に、想定を超えた災害に向き合い、それを乗り越えようと生きる道民の息遣いを克明に伝える。
目次
第1章 あの3日間、道民は―
第2章 北電という組織
第3章 気付かされたことは
第4章 沈んだマチから
第5章 耳を澄ます
第6章 電力の将来像
第7章 生命線、どうつなぐか
第8章 過去から未来へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
167
2018.9.6北海道民にとっては忘れられない出来事となった『ブラックアウト』をあらゆる立場の方々からの話を元に綴られている一冊です。ノンフィクションなので、とにかく淡々と書かれている内容はこのうえなく当たり前ですが'リアル'です。停電がもたらした危機をあますことなく伝えており、改めて電気、インフラの重要性を認識します。二度と起こしてはならない反面、自分達も有事のために何らかの対策、体制は意識しておかなければならないのかなと。あの一帯停電により学ばされたコトも決して少なくないのではと思っていたりもします。2021/04/20
パトラッシュ
35
日本の電気料金が高いのは停電などを絶対起こさないためとされてきたが、根拠のない思い込みであることが胆振東部地震による北海道全域のブラックアウトで証明された。電気がなければ何もできない現実に打ちのめされる道民と電源集中リスクを想像できなかった北海道電力、地震被害で住民が大混乱するのを横目に無意味な規則に固執する役人と、東日本大震災でも問題になった「勤勉な無能者」の姿を浮き彫りにする。自他とも認める地震大国でありながら、いつ起こるかわからない災害より目先の利益を優先するのは日本人の根本的な体質なのかと思える。2020/10/11
Ezo Takachin
9
もうすぐあのブラックアウトから2年。地震直接の被害の無かった地域まで大規模な停電が起きると思っていた道民はいなかったでしょう。東日本大震災や熊本地震などを他人事と考えていた方も多いのでは?胆振東部地震を機会に防災への意識を高めた方々も多いともいます。次の災害もいつどのようにして起きるのかわからない現代。過去の教訓から学ぶべきもはしっかりと学び備える必要がありますね。道内のライフライン企業もしっかりと危機管理体制を備えていて欲しいものです。2020/08/30
aochama
4
地震から2年経過したことで見えることもあると思います。北海道の電力の闇、宅地開発の闇、サプライチェーンの脆弱性など、浮き上がった問題点をどのように克服し、まだ課題になっているのは何か、今だからこそきちんとふりかえりたい内容が盛りだくさんでした。2020/09/08
funkypunkyempty
3
★★★ 内容は大切なことばかりなのに、なんだかとても読みづらかった。2020/11/29