出版社内容情報
樋口一葉、斎藤緑雨ら、親しく見つめた作家たちを回想し、義太夫・落語などの江戸芸能や失われた東京の
風物・景観への思いをつづった馬場孤蝶の随筆集を復刻。
●翻訳・評論を通じて、探偵小説を含むヨーロッパ文学の動向をいちはやく日本の文壇にもたらすことに
大きな功績のあった馬場孤蝶の随筆を復刻・集成。
●単行本で出された随筆集をすべて復刻、彼の「青年時の市井の事」を後の時代の「参考に」と書き綴られており、
明治・大正期の風俗・芸能を知るための資料として非常に有益なものを多々含んでいる。
●また、明治から昭和戦前まで長く文壇にあって、大学時代の同級にいた島崎藤村をはじめ齋藤緑雨、与謝野晶子、
森鴎外、石川啄木、樋口一葉ら数多くの作家たちとの交流があったため、こうした作家たちの横顔に触れた著作も多く、
近代文学研究の格好の資料となっている。
●復刻に際し、第1巻巻末に馬場孤蝶の経歴・業績・随筆の特色についてまとめた解説を、また第8巻巻末に
総目次と索引を付して、検索の便を図った。
全巻構成
第1巻 葉巻のけむり(広文堂書店/大正6年)
第2巻 闘 牛(天佑社/大正8年)
第3巻 鸚鵡蔵(二松堂書店/大正12年)
第4巻 孤蝶随筆(新作社/大正13年)
第5巻 紫 煙(大阪屋号書店/大正14年)
第6巻 野客漫言(書物展望社/昭和8年)
第7巻 明治文壇回顧(協和書院/昭和11年)
第8巻 明治の東京 抄(中央公論社/昭和17年)
明治文壇の人々 抄(三田文学出版部/昭和17年)