出版社内容情報
シュールレアリスムの国際的研究と連動して日本のシュールレアリスムを
検討しうるテクストを整備。
●日本におけるシュールレアリスム運動の基本文献と基本資料を掘り起こし、
今後の日本のシュールレアリスム運動の研究資料とすべく復刻出版物として
まとめようというのが本シリーズの企画趣旨である。
●日本のシュールレアリストが世界のシュールレアリスム運動とどのような
関連をもちながら芸術活動をおこなったのか、また、一種の前衛運動として
展開された日本のシュールレアリスムがどのような芸術運動であったかなど、
まだまだ未開拓の日本のシュールレアリスム研究に一石を投じようとする試み。
●当時の資料はそのまま複製し、各巻に編者による解題・年譜・参考文献を配した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
シュルレアリズム、バウハウス、ロシア構成主義の影響を受けたという北園は、戦後は詩作や評論に加え写真、絵画、挿絵、デザインにも創作活動の幅を広げる。が、本書で扱うのはシュルレアリズムの影響下にあった戦前の4つの著作である。日常を排し、意味を削ぎ落として語数や行の配置等の構成を徹底的に追求したコンクリート・ポエトリーの実験『白のアルバム』、P・エリュアールの『LES PETITES JUSTES』の翻訳、自らの詩作を語る詩論『天の手袋』、接続詞を多用して疾走感を生み出す実験詩集『円錐詩集』が本書に収められる。2025/04/30