出版社内容情報
ぼくは、仕方なくやってきた
亡命者ではない。観光客でもない。
この街で、生きていくのだ。
1976年、夏――。カナダ・モントリオールの街はオリンピックに沸き、少女コマネチが3個の金メダルを獲得した。そんな北の街に、母国ハイチの秘密警察に追われて到着した、23歳の黒人青年ジャーナリスト。熱帯で育まれた眼に映るのは、赤いミニスカート、恋人たちのキス、冬を経て迎える春の輝き。そしていきなりの身体検査と、移民センターの押し問答――。
公園の鳩をレモン味で食べ、故国の友人を忘れるための時間を数え、何人かの新しい女の子と出会い、新しい街で生きていく、とは? 「ぼくは観光客ではない、ここに留まるために来たのだ、好むと好まざるとにかかわらず――」。
【著者紹介】
Dany Laferriere1953年,ハイチ・ポルトープランス生まれ。小説家。4歳の時に父親の政治亡命に伴い,危険を感じた母親によってプチゴアーヴの祖母の家に送られる。彼にとっての「最初の亡命」であり,創作の原点と後に回想。若くしてジャーナリズムの世界に入るも,23歳の時に同僚が独裁政権に殺害されたため,カナダ・モントリオールに亡命。1985年,処女作である『ニグロと疲れないでセックスする方法』(邦訳藤原書店刊)で話題を呼ぶ(89年に映画化。邦題『間違いだらけの恋愛講座』)。90年代はマイアミで創作活動。2002年より再びモントリオール在住。『エロシマ』(91年),『コーヒーの香り』(91年),『終わりなき午後の魅惑』(97年),『吾輩は日本作家である』(08年。邦訳藤原書店刊),『帰還の謎』(09年,モントリオールの書籍大賞,フランスのメディシス賞受賞。邦訳藤原書店刊)など作品多数。2010年にはハイチ地震に遭遇した体験を綴る『ハイチ震災日記』(邦訳藤原書店刊)を発表した。その他,映画制作,ジャーナリズム,テレビでも活躍している。
内容説明
1976年、夏。オリンピックに沸く北の街、カナダ・モントリオール(モンレアル)に、母国ハイチの秘密警察から逃れて到着した、23歳の黒人青年。熱帯で育まれた亡命ジャーナリストの眼に映る“新しい町”の光と闇―芭蕉をこよなく愛するフランス語作家が、一瞬の鮮烈なイメージを俳句のように切り取って投げつける、文体の破壊力!
著者等紹介
ラフェリエール,ダニー[ラフェリエール,ダニー] [Laferri`ere,Dany]
1953年、ハイチ・ポルトーフランス生まれ。小説家。4歳の時に父親の政治亡命に伴い、危険を感じた母親によってプチゴアーヴの祖母の家に送られる。若くしてジャーナリズムの世界に入るも、23歳の時に同僚が独裁政権に殺害されたため、カナダ・モンレアルに亡命。1985年、処女作である『ニグロと疲れないでセックスする方法』(邦訳藤原書店刊)で話題を呼ぶ(89年に映画化。邦題『間違いだらけの恋愛講座』)。90年代はマイアミで創作活動
小倉和子[オグラカズコ]
1957年生。東京大学大学院博士課程単位取得退学。パリ第10大学文学博士。現在、立教大学異文化コミュニケーション学部教授、日本ケベック学会会長。現代フランス文学・フランス語圏文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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