出版社内容情報
「教育とは何か」を問い続けて70年。
その軌跡と到達点!
95歳を超えた今も「教育の夢」を探求し続ける大田堯の思索の軌跡を、氏自らが編集した自撰集成。第3巻は、既成の教育観を常に問い直しながら、「生命」と「学習」という二つの鍵に辿り着いた思索と行動の軌跡がわかる文章を収録。
「私自身の間違った教育や教養の既成観念を反省し、未熟ながらも、学習というものの重さにたどりついたのでしたが、それは決して教育や教育研究を軽視するのではありません。
わが国の戦後なお歴代政権を支える教育の既成観念を克服していく、生命の持続のための社会の根本機能としての教育の重要性を、人びとと共に分かち合おうということです。」(大田堯)
[月報]曽貧・星寛治・吉田達也・桐山京子・安藤聡彦・北田耕也・狩野浩二
[推薦]谷川俊太郎/中村桂子/まついのりこ/山根基世
内容説明
子どもというのはお母さんの胎盤から生まれるわけですよね。そこから新しい胎盤、つまり「社会的文化的胎盤」に出てくる。一人一人が違うユニークなDNAを持っています。DNAが違うということは細胞の核にある設計図が違うこと。しかも内部環境からの刺戟に応じて合わせて変わる、いわば「動く設計図」なんです。その一方で三十数億年の生命の進化の歴史を背負って生まれてくる。まさに自然が与えてくれたもの。そこに命を大事にし合う考え方の大本があると思っているんですよ、僕は。(本書より)
目次
生きて
戦後の教育と教育学
私の教育研究三〇年―東京大学最終講義
思索と行動、研究と実践の軌跡=『生命のきずな』への道程
子どもたちとの未来にむけて=人と人、人と自然とを結ぶ
見沼フィールド・ミュージアムを呼びかける
日中韓の研究交流 中国・清華大学フォーラム
韓国・プルム講演記録―教育 無機社会から有機社会へ‐大田堯先生の韓国訪問の意義
著者等紹介
大田堯[オオタタカシ]
1918年生。教育研究者(教育史・教育哲学)。広島県出身。東京帝国大学文学部卒業。東京大学教育学部教授、学部長、日本子どもを守る会会長、教育科学研究会委員長、日本教育学会会長、都留文科大学学長、世界教育学会(WAAER)理事などを歴任。東京大学名誉教授、都留文科大学名誉教授、日本子どもを守る会名誉会長、北京大学客座教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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