出版社内容情報
ドイツ観念論は通常18~19世紀ドイツにおけるフィヒテ、シェリング、ヘーゲルの哲学を指すが、本書では彼らの基盤をなしたカントから出発し、カントの形而上学的モチーフがいかにフィヒテやヘーゲル等の哲学に継承展開されたかを考察している。まず序章でドイツ観念論の特徴を概説するとともに、ドイツ観念論に対する批判を再検討、ドイツ観念論の根拠づけ的思索は現代においてなお意義を持ち続けていることを確認。2章以降でカントの存在論・自由論、後半でフィヒテ、シュリング、ヘンダーリン、シラー等の哲学を学んでいく構成。
1.ドイツ観念論とその評価
2.カントの存在論
3.カントの存在論の検証
4.カントの自由論
5.カントの美の哲学
6.ヤコービのカント批判とスピノザ論
7.ラインホルトの根元哲学とシュルツェのラインホルト批判
8.フィヒテの知識学の成立
9.『全知識学の基礎』(1)
10.『全知識学の基礎』(2)
11.シェリングにおける主観的観念論から客観的観念論への転換
12.ヘルダー、シラー、ヘルダーリンの歴史と美の哲学
13.ヘルダーリンとヘーゲルの合一哲学
14.ヘーゲルの哲学体系の形成(1)
15.ヘーゲルの哲学体系の形成(2)