出版社内容情報
“形”や“型”を喪失した現在に問いかける書!
“学ぶ”ことが、学問することが、こんなに自分を新しく創造してくれるものだと教えてくれたのは、内田義彦だった!! 『社会認識の歩み』『資本論の世界』(岩波新書)等でいまだに若い読者を獲得し続け、読み継がれている内田義彦の全体像を伝える最後の作品集を、さらに読みやすく再編集!!
〈鼎談〉丸山眞男・木下順二
〈対談〉野間宏・森有正・大江健三郎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
23
鉛筆は2Bがよいという(108頁)。大抵はHBだが、2Bだと柔らかく、濃く、はっきりと残るからだろう。その濃さで強引に最後まで書き抜くという。筆が折れる時には考えたい手段と思う。どちらか一極を失うと、社会科学は思想を失った技術論になり、科学性を失ってイデオロギー論になってしまう。科学の眼と人間の眼と、複眼交錯させなければならない(197頁)。素晴らしい指摘。共同体としての読書会(288頁~)。人によってまちまちな、個性的読書。深い学問は疑いから生まれる(340頁)。 2015/04/16