内容説明
2007年7月30日に作家、小田実氏が世を去ってから6年。「作家」であることに拘りつづけながら、ベ平連、阪神・淡路大震災被災者支援など、その枠組みを常にはみ出さずにはいられなかった闘士、小田実とは何だったのか。小田実をよく識る74人、2団体の寄稿から、今もわれわれの中に生き続ける「小田実」の全体像を描く。
目次
スタイル(鶴見俊輔)
呼びかけ人(加藤周一)
中有の小田実へ(瀬戸内寂聴)
『玉砕』を翻訳して(ドナルド・キーン)
あなたは“友”です(高銀)
言葉と行動の一致(金大中)
貴い民衆思想(玄基栄)
「世界市民」を送る(黄〓(せき)瑛)
恐るべき損失(ノーム・チョムスキー)
一九六六年の出会い(ハワード・ジン)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
29
われわれ代表総勢71名。鶴見俊輔氏のスタイル:小田は13歳の時、軍事力で彼を追いつめ、他方、窮乏に食料を与えて生きる条件をととのえた米国に対して対等の人間として立った。そのスタイルがひれ伏す日本政府要人と区別する(16頁)。米国の傘下、追従にはありえないスタイルに注目。 金大中氏の言葉と行動の一致:小田先生は知識人の標本でありました(31頁)。黄晳暎氏の世界市民を送る:小田先輩、国家も、国境も、民族も超越した世界市民よ、安らかに(39頁)。多くの国内外の方々から愛されていた小田さん。2015/07/23
あきこ
2
小田氏の追悼本。亡くなった時、自分が小田氏を知っていたのかどうか覚えていない。もしかしたら死後に知ったのかもしれない。なので私の中では亡くなっている気がしないが、常々世の名で悲しいことが起きるたびに小田氏が生きていたらどのような行動をとったのだろう、と思う。常に自分で考え行動する。人間として全うな生き方を示し、教えてくれた。本当に今いないことが悲しくなった。2013/09/19
Hiroki Nishizumi
1
小田実追悼本。『何でも見てやろう』は大好きだった(今も)が少し世代が違ったこともあって、思想的な影響はあまり受けなかった。この本は私的な思い出話が多かった感じだ。2017/11/26
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