内容説明
論壇は、女性皇族を当主とする宮家創設と旧宮家子孫の皇籍復帰に二分されているように見える。だが、戦後六十数年ソ連中国を模範として天皇制を打倒せよと叫んだマルキストを論破し、低開発国の国づくりを助言してきた経済学者である著者は言う―答えは単純な一方策では見出せない。論点を整理し、史実を仔細に検討し、理をつくし、知恵をしぼれば、優れた立憲君主制を確立できる。その考えの基本方向を示したものが、本書である。合わせて本書の後篇では、著者多年の主張である、立憲君主制が大統領制よりも優れた政治制度だとするマックス・ウェーバーその他の学者の見解を、内外の歴史を踏まえて論じる。
目次
前篇 皇室の弥栄えをお祈りして(皇室典範を改正しなければ、宮家が無くなる;皇室典範改正の諸問題;君主制と王位継承論;内閣官房の諮問事項についての所見;内閣官房ヒアリング議事録;今上陛下と皇后陛下への御祝辞;所功教授との対談 皇統の永続のために)
後篇 立憲君主制の擁護のために(君主制の擁護;江藤淳教授との対談 天皇;君主制と神道;立憲君主国と民主共和国の長短を論ず)
著者等紹介
市村真一[イチムラシンイチ]
1925年京都市生まれ。京都大学名誉教授、大阪国際大学名誉教授、(財)国際東アジア研究センター名誉顧問、東アジア経済学会名誉顧問。専門は、計量経済学・経済発展論。学歴:1949年京都大学経済学部卒。1953年MIT Ph.D.職歴:和歌山大学助教授(49‐56)、大阪大学社会経済研究所教授(56‐68)、京都大学東南アジア研究センター教授(68‐88、所長69‐79)、大阪国際大学副学長(88‐95)、(財)国際東アジア研究センター所長(95‐2002)、同センター顧問(2002‐05)、The Econometric Society Fellow(1962‐)、東アジア経済学会会長(1992‐98)、国連Committee for Development Planning委員(72‐90)、(社)日本教育会会長(83‐90)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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