出版社内容情報
米ソ2大超大国の崩壊を予言した人類学者の最新作。日本の将来への指針! 自由貿易は民主主義の阻害要因である。トックヴィルが見損なった民主主義勃興の真の動因は識字化にあった。だが、今日、高等教育の普及がむしろ階層化を生んでいる。「自由貿易」という支配層のイデオロギーこそ、格差をもたらし、内需を損なう、経済危機と民主主義退行の元凶である。
内容説明
米ソ2大国の崩壊を予言した人類学者の最新作。日本の将来への指針!世界経済と民主主義を阻害する「自由貿易」というドグマ。トックヴィルが見誤った民主主義の動因は識字化にあったが、今日、高等教育の普及がむしろ階層化を生み、「自由貿易」という支配層のドグマが、各国内の格差と内需縮小をもたらしている。若者・失業者・私企業労働者こそ、真っ先の犠牲者である。大恐慌の中で健全な保護主義を唱えた、ケインズの名論文「国家的自給」(1933年)収録。
目次
民主主義をめぐる普遍性と多様性
サルコジ局面
この空虚は宗教的な空虚である
教育の停滞と文化的悲観論
民主制から寡頭制へ
フランス人と不平等―人類学からの貢献
民族化か?
自由貿易は民主主義への阻害要因
階級闘争か?
人類学的土台の極めて緩慢な変化
デモクラシー以後
保護主義、ヨーロッパ民主主義の最後のチャンス
著者等紹介
トッド,エマニュエル[トッド,エマニュエル][Todd,Emmanuel]
1951年生。歴史人口学者・家族人類学者。フランス国立人口統計学研究所(INED)に所属。作家のポール・ニザンを祖父に持つ。L・アンリの著書を通じて歴史人口学に出会い、E・ル=ロワ=ラデュリの勧めでケンブリッジ大学に入学。家族制度研究の第一人者P・ラスレットの指導で、76年に博士論文『工業化以前のヨーロッパの7つの農民共同体』を提出
石崎晴己[イシザキハルミ]
1940年生まれ。1969年早稲田大学大学院博士課程単位取得退学。現在、青山学院大学総合文化政策学部長。専攻フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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