出版社内容情報
日本に初めて西洋美術史を体系的に導入、黒田清輝ら実作者と二人三脚で近代日本に〈美術〉を根付かせた岩村透の初の本格的評伝。
感想・レビュー
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壱萬参仟縁
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漱石の役人嫌いは、岩村も類似(44頁)。権威主義を嫌うのだろう。岩村先生は、ラスキンの『近代画家論』、自伝『プラエテリタ』で夜更かしし、宿題を忘れていたという(66頁)。そんな岩村少年を、学校の先生は叱らないでおくれ。そいうのも、ラスキンも学校を支援しようとしていただろう。1900年『美術評論』で未完の「ジョン・ラスキン」執筆。02年『美術新報』に「羅氏美術講義」1~3篇(未完)、11年「ラスキン先生とアルプス山」(178頁)。岩村先生は、ラスキンの立論や文体に魔力を感じ、人の気を奪うと述懐される2020/09/05