内容説明
単なる業績の羅列ではなく、同時代の哲学・政治・経済学・芸術の文脈のなかで、支配的潮流といかに格闘したかを描く。ネオリベラリズムが席巻する今、「リベラリズム」の真のあり方を追究したケインズの意味を問う。
目次
1 倫理―ケインズのビジョンの源泉
2 知識―不確実性、確率、モラル・サイエンス
3 政治―自由主義と社会主義を超えて
4 戦争と平和―ボーア戦争からヴェルサイユまで
5 貨幣―経済的原動力にして社会的病理
6 労働―失業との闘い
7 金―人類に奉仕する国際通貨体制
8 芸術―芸術の理論家・消費者・後援者
結論 ケインズからケインズ主義へ
著者等紹介
ドスタレール,ジル[ドスタレール,ジル][Dostaler,Gilles]
1946年カナダ生まれ。1975年にパリ第8大学にて経済学博士号を取得。現在、ケベック大学モントリオール校教授。ケインズ、ハイエク、フリードマンを主な研究対象として経済思想史を専攻
鍋島直樹[ナベシマナオキ]
1963年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程単位修得退学。現在、名古屋大学大学院経済学研究科教授
小峯敦[コミネアツシ]
1965年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程単位修得退学。現在、龍谷大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Francis
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ケインズの評伝。若きケインズがかかわった知識人グループ「ブルームズベリー・グループ」およびケインズと芸術との関わりに関する記述に興味を引かれた。他に主著「一般理論」や「貨幣論」などに見るケインズの経済理論の素描など、ケインズの評伝として非常に優れていると言えそう。2014/02/26
メルセ・ひすい
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④※理解を再構成しようと試みてきたのであり、そこには依然として学ぶべき多くのことがある。20世紀の前半に彼が提示した診断は、今はなお妥当性を持っている。その診断は、かつてよりも今日によりよく当てはまる。なぜなら彼が見極めた病のいくつかは、さらに悪化したからである・・・ 2009/04/18
メルセ・ひすい
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※③社会と同じで経済は全知全能の権力によって一度限り定められたルールによって束縛されてはならないのである。ケインズが残したものは、社会についての総体的な理解であり、社会が経済・政治倫理・知識・芸術にどのように接合しているかについての総体的な理解である。本書はそのような④※2009/04/16
メルセ・ひすい
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ブレトンウッズですよ! 今・コンドラチェフのグラフが・・ヤバい! 半端なお勉強では何も言えません。経済は何なんだ! ケインズの生きた全体像に迫った包括的評伝。単なる業績の羅列ではなく、同時代の哲学・政治・経済学・芸術の文脈のなかで、支配的潮流といかに格闘したかを描く。生きた全体像に迫った初の包括的評伝 単なる業績の羅列ではなく、同時代の哲学・政治・経済学・芸術の文脈のなかで、支配的潮流といかに格闘したかを描く。ネオリベラリズムが席巻する今、「リベラリズム」の真のあり方を追究したケインズの意味を問う。2009/03/20
メルセ・ひすい
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※②治療法は教条的できまりきった方法で処方されるべきではなく状況・時期・場所に応じて当然変わってくるものである。このような意味において「ケインズ政策」なるものは存在しない・・・・※③2009/03/18