感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
中世地中海が専門の著者は大著『地中海』を陸に残された文字、画像、モノの情報によって書いた。文字のない先史時代の地中海を記述する際も、著者には長中短期の3変動の層という考古学的知が備わっている。本書も第1章「海を見る」から地図に歴史の層を重ね、火山や砂漠化の長期の変動が類人猿を動かし、文明を作る移動と流通を作り、集団を形成する過程を多層化する。が、集団の儀式も人類学者になって柔軟な知性で考察する著者が「わかっていない」という時に起こっているのは、短期的な気象変化(気層)のようだ(ヒッタイトの滅亡と風向き)。2019/07/03
メルセ・ひすい
1
13-40赤07★緒言・ブローデル拝・読者諸賢がすでにご存じのように、私は16世紀地中海の専門家である。好奇心と必要から地中海全体を調査し、古代にせよ、近代にせよ、この海にかんして読むべき文献はほぼ全てに目を通してきた。とはいえ、私個人の研究が本当に扱う期間は、つまるところせいぜい1450年~1650年までにすぎない。ではなぜ無謀にもステラの依頼を受け入れム、地中海の歴史を扱うシリーズの第一巻として、これまでの研究範囲から逸脱する本を書く気になったのだろうか? ・・・ ★必読書です。お薦め!2010/03/13