出版社内容情報
ブルデューの歩みのなかで最も本質的な転機を徴づける、結婚市場を分析・究明した論文3本。ブルデュー社会学の誕生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
1960年代のフランス西南のダンカン(レスキール)を調査した著者は、第一次大戦前後の農村での結婚を例に、個人の合理性に基づく近代が旧社会のシステムを崩壊させる過程を描く。長子相続によって次男以降は相続放棄となる20世紀以前の旧社会の婚姻システムが機能したのは、職業と血縁の結びつきが強く、職業の選択しづらかったからだった。が、選択肢が豊富な都市との交通ができると、農村部では女性がまず都市部へ流れ、長子でも独身者が増加する。その際農村部では、都市部の身振りや言い方の洗練(身体的へクシス)によって差別化が進む。2024/05/28
ひろゆき
1
フランスの田舎の男の独身者達のダンスパーティーでの風景に触発され、なぜ、結婚できないままなのか、そこにはどのような思考が働いているかなどを分析した本。両親が死ななければ自由にならない資産、農業労働が仕草に染み付いていることへの羞恥からくる臆病、慣れ親しんだものでしか考えようとしないことなど。日本の農業後継者の未婚問題と同じだなと感じる。相続は出産、恋愛とともに人の選択でなく、社会の再生産として強制されていることを露にする。2012/12/08
machalatte
0
これだから田舎もんは。って感じで、分析の仕方とか面白くてあっという間に読みました。おすすめ。2012/11/04
Tomomi Hori
0
ブルデューが好きになった。